羽生結弦

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9日、テレビ朝日「報道ステーション」では「アクシデントからの3週間 羽生結弦 葛藤と決断」と題し、12日に開幕するフィギュアグランプリファイナルを控える羽生結弦に行ったインタビューの模様を放送した。

11月の中国大会では6分間練習で中国人選手と衝突、負傷を負いながらも羽生は出場を強行したが、脳震盪もあり国内では賛否が入り交じり大きな議論になった。先のNHK杯でもケガの影響を感じさせた羽生は、その胸のうちを聞き手を務めた松岡修造氏に明かす。主なコメントは以下の通りだ。

●NHK杯について
「悔しかったですね。久しぶりに悔しくて泣いたなって。控室の中で自分でも分かってたんですけど、泣いてどうするって思ってた。次のことを考えながら今日何がダメだったって口で言いながら、ずっと涙が止まらなかった。

最初はファイナル行けないって思いました。(権利を得た後は)特に変わらなかったですね。悔しさも全然紛らわす事ができなかった。自分の中で色んな言い訳を考えてて、負けた時どうしようって考えてた自分もいて、それがいたことがまず悔しい。

いつも通りやろうとしている時点で僕の負けなんですよ。練習を出そうとしたら、それは本番じゃないじゃないですか。練習じゃないですか。その時点で負けですよ、僕の。人との勝ち負けじゃくて自分の中で負けてます」

●恐怖心について
「出てきます。集中したりしなかったり、周りを見たりなんなりかんなりっていうのが絶対あったんだと思います。6分間練習のフリップの前はさすがにビビりました。(人が)いないって分かってるんですよ。気配を感じないし。風も感じないし。全然気配とかもないのに、どうしても後ろ見ちゃうんですよ。怖くて。

自分でも驚くくらいワイドショーでやってて。あれはフィギュアスケートの問題じゃなかったです。一スポーツの状態としてあれを出すのはどうなんだと。色んなこと考えて反省したんですよ、すごく。でも僕達は(医師の診断を)信じるしかなかったから出たわけで。こうやって結果も頂けたんだから次の事を考えようと。で、はじめて1週間安静にして痛みがひきはじめたら徐々にリンクに乗ってもいいよっていう話になってたんですけど、結局10日間滑れなくて。でもNHK杯考えるんだったら、ちょっとでも(氷に)乗らなきゃダメだねっていう話になって10日後にはじめて乗ったんですけど、もう絶望しました。はじめて自分から自分の親に弱音というか、諦めるということをした。“出ない”って言いました。

●今後について
「もちろん、プライドはかかっている。プレッシャーもすごいかかっているし、“あぁ情けないな”って自分でも思うんですけど、それよりもまず、そんなこと考える前にプライドとか何よりもまず課題が見つかって次の試合に行ける、もう1個の課題を克服するチャンスが来たっていうのは、こんな恵まれたことはないですよ。

どんだけ高い壁が用意されてるのってくらい、高い壁いっぱいあるんですよ。課題大好きです。だってそれ乗り越えたら絶対上がある。そしたらまた上がある。本当は休もうと思ってました。まず(シーズン前の)腰痛からはじまり。中国大会に出て、これは本当に休めってことかなと思って。これでGPファイナル行けなかったら全日本に向けてしっかり休めと神様が言ってるんだなと思ったんですけど、出れたんで“ちゃんと乗り越えてみせろよ”って言われたんだと思います」