また『“体を温める”と病気は必ず治る』の著者の石原結實・イシハラクリニック院長も、同著の中でこう記している。
 「人の体温が上がると免疫を担う白血球が活性化して、異物を攻撃する力も増します。体温が1℃上がると、一時的に免疫力は6倍も増強されます。ですから平熱の低い人は恒常的に体温を上昇させ、それを維持することが重要なのです」
 さらに同院長は「理想の平熱は36.5〜37℃。体内のアミラーゼなどの酵素が食べたものを消化し代謝を進め、エネルギーを吸収したりするので、最も効果的な体温となります」と解説する。

 では、体温を下げずに免疫力を保つのには、どのような方法があるか。また平熱が低い人が体温を上げるにはどうすればよいのか。専門家の意見を参考に考えてみたい。
 まず、食の面。陽性の食べ物や陰性の食べ物も重要だが、ビタミンも冷えを改善する。その主要なビタミン類は次の通りだ。
 (1)ビタミンB1=糖質を燃やし、体を動かすエネルギーを生み、体熱を効果的に生み出す…豚肉・マグロ・卵・ゴマ・ホウレンソウ・レバー・イワシ・焼き海苔など→ニンニクやニラなどと一緒に摂取すると、アリシンという成分が吸収を手助けしてくれる。
 (2)ビタミンE=血液をサラサラにし、血行を促進、毛細血管を広げ体を温める効果がある…イワシ・カボチャ・ホウレンソウ・タラコなど→油と一緒に摂取すると吸収率が良いのが特徴。
 (3)鉄分=体内の体温が下がるのを防ぐ。血液中のヘモクロビンの成分でもあるため、体に酸素を送り、貧血や体力不足を補う…レバー・イワシ・ホウレンソウ・カキ・海苔・豆腐など→お茶や紅茶は鉄分の吸収を妨げるので食事を摂る際は気を付けること。

 次は「運動」と「入浴」などに関して。
 (1)ウオーキングと簡単な体操=普段からよく体を動かすこと。激しい運動は必ずしも必要でない。エレベーターなどは避け階段を上る。自分で掃除や洗濯などで手足の筋肉を動かすことを心掛ける。
 (2)入浴=湯温41℃以下での半身浴も効果的だ。ゆっくり温まって汗を流す。ただ、脱衣所は血圧の変化を生み注意。寒暖の差を無くし、ヒートショックを防ぐ(また、入浴前後の水分補給は忘れずに)。
 (3)腹巻=寒い時には、お腹周辺に血液が集まる習性がある。内臓を無意識に守ろうとする脳の働きによる体内現象。内臓が集まるお腹を冷やすと体温が下がるため、腹巻は重要。手足の冷え対策にもなる。

 寒さで体温が下がると、健康な人でも顔色が青くなり、体に震えが起きる。顔が青くなるのは、皮膚に運ばれる血液が少ないためで、また寒さに体が震えるのは、脳が体温を上げるために筋肉を動かすからだ。
 人の体温は敏感に反応する。健康を保つ上でのシグナルを発するなど、大切な役割を担う体温。軽く考えてはならない。