同社のモバイル広告売上高、来年はツイッターを上回る見通し

 米国の市場調査会社、イーマーケター(eMarketer)によると、米ヤフーのモバイル広告事業はここに来て売上高を伸ばしており、来年以降も順調に推移するという。

 イーマーケターは、米国における今年のヤフーのモバイル広告売上高が、米国市場全体の3.18%になると推計している。この売上高シェアは米ツイッターに次ぐもので第4位。だが、来年は3.74%に上昇し、ツイッターの3.69%を上回るという。

 ヤフーのモバイル広告シェアがツイッターを上回るのは初めてで、そのシェアは2016年に4.19%へと、さらに拡大するとイーマーケターは見ている。

モバイルを柱とするメイヤーCEOの経営改革

 ヤフーでは、マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が2012年7月に就任して以降、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル分野に力を入れている

 そうした中、同社は今年7〜9月期の決算で初めてモバイル事業の業績を公表した。

 同四半期のモバイル事業の売上高は2億ドルで、2014年通年では12億ドルを超えるとの見通しだ。

 イーマーケターによると、ヤフーは過去2年にわたりユーザー数の拡大と既存ユーザーの保持に努めてきた。その努力がようやく実を結ぶという。

 米国のモバイル広告市場は、米グーグルと米フェイスブックのシェアが今後もそれぞれ30%台と10%台で推移し、両社は1位と2位を維持する見通し。

 一方で、ヤフーのモバイル広告の2014年から2016年までのシェアの伸び率は、イーマーケターが調査対象にしている企業の中で最も高く、ヤフーはわずかながらもグーグルとフェイスブックからシェアを奪うという。

モバイル検索の伸びは鈍化するとの予測

 ただ、アナリストの分析ではヤフーは安閑としてはいられない状況だ。

 というもの米国モバイル広告市場の約半分の規模(今年は96億5000万ドル)であるモバイルディスプレイ広告分野におけるヤフーのシェアはわずか1.9%にとどまる見通しだからだ。

 このヤフーのモバイルディスプレイ広告のシェアはやがてほぼ倍増するものの、ツイッターや、インターネットラジオの米パンドラメディア、そして米アップルを下回ると、イーマーケターは予測している。

 一方、ヤフーのモバイル検索広告のシェアは今年4.9%となり、モバイルディスプレイ広告のシェアよりも高まるという。ただ、こちらのシェアは2016年でも5.2%にとどまり、大きくは上昇しないとの予測だ。

米モバイル広告、新聞、雑誌、ラジオを上回る

 なおイーマーケターは、世界におけるインターネット広告、テレビ/ラジオ/新聞/雑誌広告、屋外広告、ディレクトリ広告(電話帳広告など)を合わせた今年1年間の広告支出の総額が、昨年実績から5.7%増の5454億ドルになると推計している。

 そのうち、世界で広告支出額が最も多い国は米国。今年は世界全体のほぼ3分の1となる1800億ドル超を米国が占めるという。

 そして、米広告市場で最も成長しているのがモバイル広告。米国ではパソコン向け広告とモバイル向け広告を合わせたインターネット広告がすでに印刷媒体を上回っているが、今年は初めてモバイル広告が新聞、ラジオ、雑誌を上回るとしている。

 同社の推計によると、米国における今年のモバイル広告支出額は前年比78%増の189億9000万ドルとなる見通し。これが来年には同50%増の284億8000万ドルに、2016年には同41%増の401億6000万ドルに達すると予測している。

筆者:小久保 重信