日本シリーズJTカップ(12月4日〜7日/東京都)で15位に終わり、石川遼(23歳)の2014年の戦いが終了した。

 今年の石川は、米ツアーから一時帰国して臨んだ7月の長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ(7月3日〜6日/北海道)で優勝し、国内通算11勝目を挙げた。140位台まで落ち込んでいた世界ランキングも70位台まで取り戻した(12月7日時点では106位)。しかし、目標としていた米ツアーでの勝利はかなわず、石川のあとを追うように米ツアー本格参戦を果たした同学年の松山英樹(22歳)に先を越されてしまう(ザ・メモリアルトーナメント優勝)。石川にとっては再び、試練の一年だったかもしれない。

 例年、石川はツアー王者らが集う国内最終戦の日本シリーズをシーズンの「節目」とは考えていない。とりわけ、米ツアーを主戦場にしてからは、年末年始もツアー中の調整期間に過ぎず、今年も年末は沖縄での合宿が予定されている。

「試合モードと、試合から離れるときのメンタルの切り替えは大事だと思うけど、日本シリーズが終わったからといって、モチベーションが落ちることはない。(11月から参戦した)国内の5連戦は、合宿に向けて取り組むべきことがわかった5週間だった。今は合宿で『こういう練習がしたい』『ああいう課題に取り組みたい』とか、そういうことしか考えていない」

 現在の課題は、ドライバーを中心とするショットだ。

「(2週間前のダンロップフェニックスで)ジャンボ(尾崎)さんにも言われたんですけど、インパクトの際にクラブのフェース面をボールとしっかり合わせることができていなかった。その練習に取り組んできて、今はだいぶ安定するようになってきた。今後も、自分の持ち味であるショット、その精度を伸ばしていくことと、ショートゲームも練習していきたい。この5週間でいい結果は出せなかったですけど、気にしていません」

 日本シリーズでは、これまでのものよりもシャフトが2.5インチ長い37.5インチのパターを投入。ゴルフの成長に必要と感じたら、リスクを恐れず、どんなことでも取り入れていく積極的な姿勢に変わりはない。

「(パッティングは)左脇を締めて打つのが自分のスタイルなんですけど、(この長さだと)よりパターとの一体感が感じられる。しっくりきています」

 日本シリーズと同じ日程で、アメリカではタイガー・ウッズ主催のヒーローワールドチャレンジ(フロリダ州)が開催され、世界のトッププレイヤーとして認められた松山は同大会に出場した。そして、大会の頂点に立ったのは、石川よりも年下のジョーダン・スピース(21歳)だった。同世代の活躍は、石川の上昇志向をさらに加速させる。

「自分と同じようなランキングだった選手が活躍すると刺激がある。自分の中では、(米ツアーで)一番下手な選手だと思ってやっているけど、『あの選手にできるのなら、自分にもできる』という気持ちもある。自信はあります」

 米ツアー本格参戦を果たした2013年シーズンは、シード権死守に奔走した。レギュレーションが変わった(※)2年目、2013−2014年シーズンは早々にシード権獲得にめどをつけて、夏場に長期合宿を行なうなどして、さらなるステップアップを目指しての試験的な一年を過ごしてきた。すでに開幕し、3戦に出場した2014−2015年シーズンは、いよいよ優勝を現実的な目標に据える。

※米ツアーは2013−2014年シーズンから10月に新シーズンがスタート(翌年9月まで)。ひとシーズンが年をまたぐことになった。

「(前シーズンまでの)ポイントをしっかりとって、シード権を確定させるという戦いから、(2014−2015年シーズンは)目標をひとつ上に修正した形になる。他の日本人選手もがんばっているし、日本の男子ゴルフ界も徐々に明るい兆しが見えてきているような気がする。同じように自分も(米ツアーで)がんばりたい」

 2015年こそ、アメリカから日本中を驚かせるニュースを発信してくれるだろう。

柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji