「「比例最下位だから当選しない」と引退を表明

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 次世代の党・最高顧問の石原慎太郎氏(82)が来る衆院選限りでの政界引退を表明した。

「仏法には無駄はあらへん。石原も一時は調子良かったけど、結局、一過性のもんや。それを証拠に今は小政党の顧問で何の影響力もあらへん。最後は仏法者が笑う。今回の選挙も各種報道によると自民・公明が圧勝やゆうやないか。次の次の選挙くらいで、公明がほんまに単独で政権とるんちゃうか」

 長年、政治家石原慎太郎氏が嫌っていた公明党の支持母体・創価学会で支部長を務める関西の地元有力学会幹部は、石原氏の政界引退表明に喜びの声をこう表す。

連立に違和感を持つ人は公明=自民ハト派と思って

 公明党嫌いで知られる石原慎太郎氏について、この創価学会支部長は、「うちらかて石原慎太郎は嫌いや」とし、公明党が与党参加するからこそ日本は正しい道を歩むと力説する。

「今の日本、どうみても歴史の教科書みたら“安倍総理=近衛文麿”、“田母神元空幕長=東條英機”そんな感じがする。そら今歴史も見直されて東條さんも再評価されてるし、自衛隊の役割も大事や。震災でもそれはわかる。でもな、だからこそ与党でブレーキかける役割がないとあかんとちゃうか?」

 この創価学会支部長は、創価学会の公式見解とは関係のない仏法者たる一個人の考えとしてこう述べた上で、公明党が今の安倍自民党と連立を組むことに違和感を覚える向きが多いという学会内部の空気感にも異を唱える。

公明党の結党の精神に帰れば、そら、安倍自民党との連立はおかしいかもしれん。でも、それはごく上っ面な見方や。政策は実現してこそナンボ。公明党と支持層の被る共産党が世間から受け入れられんのはその政策の実現可能性が薄いからや。与党で政権参加せな政策実現は有りえへん」

 また、公明党と自民党との連立に違和感を持つ一般市民や保守層の声についてはこう話す。

公明党と思うから話がややこしいんとちゃうか? 昔の自民党でもハト派といわれる勢力はおったやろ。宏池会ゆうんかな。今の自民党の岸田派とかや。それか先生(創価学会・池田大作名誉会長)と親しかった田中角栄さんとかや。そういう昔の自民のハト派が、今の公明党と思えばそんなガタガタいうことあらへんのとちゃう?」

日本人であることしか誇りを持てない人が石原らを支持

 本サイトで既報の通り、現役幹部自衛官は「公明党は与党から出て行け」「公明党出身で創価大学卒の防衛政務官に敬礼したくない」と公言し、「創価大学出身の幹部自衛官の躍進」を警戒する動きがある。

 これについて創価学会支部長は次のように私見を述べた。

「それこそ今の自民と公明の連立といっしょや。自衛隊の中の跳ね返りのブレーキ役や。それに創価大出身やからといって、皆が皆、学会メンバーかどうかはわからんやないか。キリスト教系の私学やったらどうやねん? 何かいうか? 言わへんやろ。むしろそういう環境のなかで創価大出身者が頑張ってることにいち学会員として拍手を送りたい」

 公明党と折り合いの悪かった石原慎太郎が最高顧問を務める次世代の党は、副代表の元空幕長・田母神俊雄氏が衆院・東京12区から出馬する。公明現職の国交相・太田昭宏氏の牙城を潰しにきた格好だ。そして創価学会支部長は政策面から、石原氏との縁が深い次世代の党をこう切って捨てる。

「次世代の党の政策見ると、『天皇陛下を中心とした大家族的な国家』とかいろいろ“理念”は唱えてはるけど、これは政策といえるんか? まだ東京12区に限れば、生活の党や共産党の候補のほうが政策面はちゃんと訴えてると思う。選挙民は賢い。人気と実際の得票は別や」

 石原慎太郎の引退で、田母神俊雄が次世代の党のみならず、保守・右派の旗頭となるとの声もある。だが、その石原や田母神が嫌う公明党の支持母体、創価学会ではさほど危機感を感じていないという。「石原と違い、田母神を支持する層は、もはや日本人であること意外、何の取り柄もない人たち」(創価学会支部長)だからだ。

 創価学会員の間では、石原氏よりも小粒とみなされている田母神氏が次世代の党の旗頭とみなされること自体、仏法の目からみれば“衰退”を仏法に帰依しないゆえの衰退と位置づけている。

 注目の衆院選は、次世代の党が飛躍するか。それとも公明党がさらに躍進するか。その答えは日蓮大聖人でもわからない。

(取材・文/鮎川麻里子)