八戸前沖さばのプレミアムサバ「銀鯖」の刺身(1420円)。麗しい脂のノリにただ、ただ、感涙

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 日本有数の水揚げを誇る青森県・八戸港でも、その多くを占める魚・サバ。獲れすぎるばかりに地元では「まったくありがたみのない魚」として扱われてきたが、今や「八戸前沖さば」としてブランド化され、「ありがたい魚」となった。

 いったい、なぜ八戸のサバは、ありがたい魚に昇格したのか。そのきっかけになったのが「平成22年東北新幹線全線開通」。それまで八戸が終点だった東北新幹線が、ついに新青森まで到達することが決定し、当然、地元に危機感が走った。

「お客さんが八戸を通り過ぎて青森に行っちゃう!」

 そこで、八戸がスルーされないための起爆剤として選ばれたのがサバだった。

 前回ご紹介したように、「さばグルメ市」や「さばアイデア料理コンテスト」など数々の展開を行い、話題をさらっていった八戸前沖さば。しかし意外なことに、難関だったのが実は「地元の料理店」への普及だったという。その壁を突破するために、1人の仕掛け人が動いた。

「“下魚”をメニュー化なんてありえない」
ホテル、割烹の声に55歳料理人が挑戦

 観光誘致も目的としているからには、市内で八戸前沖さばを使った料理を味わえるお店が必要だ。

 しかしそこに壁が立ちはだかる。「ホテルやレストラン、割烹などにお願いしたのですが、なかなか受け入れてもらえない時期がありました」と八戸前沖さばブランド推進協議会会長の武輪俊彦さんは当時を振り返る。地元の料理人にとっては、「サバのような『下魚』をメニュー化」するのは「とんでもないこと」。「大衆食堂で食べるようなものを提供するなんてありえない」と抵抗が大きかったのだ。

 そんななか立ち上がったのが、協議会員であり、寿司・郷土料理店「俵屋」オーナーの沢上弘さん。協議会の前身である「はちのへ観光誘客推進委員会」で、サバの勉強会に関わってきた沢上さんは、八戸のサバの可能性を見出していた。

「秋に八戸に揚がるサバは実に美味しい。飲食という立場から、全国にもっと八戸前沖さばを発信していこうと決心しました」

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