Q:一日のうち、ほとんどがデスクワークです。そのためか、夕方には足がむくみ、ぱんぱんになります。下肢の静脈が浮いて見えるのも気になります。なお、心臓や腎臓の病気はありません。対策法がありましたら教えてください。(53歳・漁業組合勤務)

 A:むくみには、心臓や腎臓の病気が原因で起こるものもありますが、それらの病気と関係なく日常的によく見られるものです。そもそもの原因は、現代の生活スタイルにあります。
 舗装されている上を、靴を履いて歩く場合、足の指は十分に使われないし、足の裏もあまり刺激されません。その分、心臓に還る足の静脈の血液が流れにくく、滞りやすくなります。
 心臓から送り出された血液(動脈血)は、細胞に酸素や栄養分を届け終えると、今度は二酸化炭素や老廃物、余分な水分などを回収しながら静脈やリンパ管を通って心臓に戻ってきます。
 このとき、足に流れた血液は重力に逆らうことになるため、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液の循環を助けします。
 ところが、椅子に座って静止した状態では、筋肉のポンプ作用は働かないので、血液が心臓に戻りにくいし、下肢に水分も溜まってしまいます。下肢がむくむのはそのためです。
 それを防ぐために、椅子に坐っているときに、足の指を動かしましょう。靴を脱いで、足の指や足の裏を押したり揉んだりする方法もあります。30分おきに立ち上がってデスクの脇で足踏みをするのもよいでしょう。

●下肢静脈瘤予防の対策を
 ご質問の方は、静脈が浮いて見えるとのことですが、それは静脈がうっ血しているためです。静脈には血液の逆流を防ぐための静脈弁があり、この弁の機能がおかしくなると血液が逆流し、その血液が下肢に溜まってしまいます。
 それが下肢静脈瘤で、ご質問の方の場合も、放置すると下肢静脈瘤に進む恐れがあります。早めに対策したほうがよいと思います。
 漢方治療では、水の代謝をよくし、余分な水分を摂るのに適した漢方薬に「防已黄耆湯」があります。また、血の代謝をよくして静脈瘤の予防・改善に効果的な漢方薬に「疎経活血湯」があります。
 なお、飲酒はむくみを促進するので、終業後のお酒はほどほどにしましょう。それよりも、定期的に運動するようお薦めします。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。