バイエルン、レアル・マドリーの2強をバルセロナ、チェルシーが追う。パリ・サンジェルマン、アトレティコも侮れない存在ーーこれが、今季のチャンピオンズリーグの形勢だ。ブックメーカーの予想に基づけばそうなる。

 イングランドの4強とバルセロナがトップグループを形成していた5、6年前と様相は大きく変化した。イングランド勢に一頃の活気は失われている。マンC、アーセナル、リバプール、さらには今季のCLには出場していないが、かつて上位の常連だったマンUと、トップグループを形成するバイエルン、レアル・マドリー、バイエルンとの差は、年々拡大している。

 チェルシーが最後の砦。プレミアリーグで首位に立つ現状が、何よりそれを証明している。今季は、ご承知の通りジエゴ・コスタとセスク・ファブレガスが加入。GKクルトワも超一流になって戻ってきた。

 とはいえ、チェルシーの顔は選手ではない。監督。モウリーニョだ。その監督力こそがクラブの生命線。カギを握る存在になる。

 選手より監督が先に来るクラブと言えば、バイエルンもそのひとつだ。サッカーは、グアルディオラの就任を機に変わった。そう言い切っていい。「バイエロナ」と言いたくなるほど、かつてのバルセロナに似たサッカーをしている。

 モウリーニョとグアルディオラ。前者がマドリー監督で後者がバルサ監督だった頃、スペインのベテラン記者2名に両監督を比較してもらったことがある。公平を期すために、マドリー寄りの新聞社に勤める記者とバルサ寄りの新聞社に勤める記者、一人ずつに話を聞いたわけだが、それぞれ記者の見立てはほぼ一致していた。

 モウリーニョには自在性がある。どのクラブに行っても対応する力がある。バルサが監督として初のクラブだったグアルディオラは、その時、その点に関しては未知数だったが、モウリーニョのようには行かないのではないかと見られていた。モウリーニョには良くも悪くも哲学がない。守備的なサッカーもすれば、攻撃的なサッカーもする。片や、グアルディオラには哲学がある。守備的なサッカーをすることは哲学的に許されない。自らに縛りを懸けているグアルディオラと、自らを縛ることなく状況に応じて使い分けるモウリーニョ。

 両者は対照的な関係にある。

 だが、グアルディオラは監督として2つ目のクラブになるバイエルンでは成功している。前述の記者たちの心配を吹き飛ばすような哲学に相応しいインパクトの強いサッカーができている。モウリーニョのチェルシーより若干上。ブックメーカーはそう見ている。

 根拠となっているのは、現在までの戦いぶりだ。国内リーグで対戦する相手は、基本的に格下だ。強敵との対戦はCLになるが、こちらも現在はグループリーグの最中なので、冒頭で述べたトップ4、トップ6との対戦は、決勝トーナメント以降になる。決して強くない相手と対戦したこれまでの戦いぶりを見て、ブックメーカーは判断していることになる。

 先週末行われたチェルシー対サンダーランドは、その典型的な試合だった。結果は0−0。サンダーランドホームの試合だったので、ありがちな結果と言えばそれまでだが、チェルシーが弱者に対して良いサッカーができていなかったことは事実だった。

 守りを固める弱者に対し、チェルシーは真ん中から強引に突き崩そうとした。守りを固める相手には、サイドから切り崩していけという鉄則通りの試合運びができていなかった。4−2−3−1を敷くチェルシーの3は、左からアザール、オスカル、ウィリアンの順で並ぶが、彼らが奇麗に並んでいる時間は少ない。

 そうした状態を日本では、こう言われることが多い。