住基ネットの問題点の公表を総務省が差し押さえ

【ライブドア・ニュース 25日 東京】 − 長野県の住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の問題点の公表を昨年11月に総務省から差し押さえられた件で、米国人技術者のイジョヴィ・ヌーワー氏(米国在住)が、表現の自由の侵害と精神的苦痛を受けたとして、国に対して3000万円の損害賠償を求めた訴訟の原告意見陳述が25日、東京地裁で行われた。

 ヌーワー氏は04年9月から10月にかけて、米セキュリティー・ラブ・テクノロジー社の最高技術責任者(CTO)として、住基ネットの侵入実験を担当した。同氏によれば、同年11月に、財団法人地方自治情報センター(東京都千代田区・芳山達郎理事長)などが主催した情報セキュリティーの国際シンポジウムで、住基ネットの問題点について発表しようとしたところ、総務省がそれを突然差し止めた。

 ヌーワー氏は、政府が同氏と同財団法人に「言論の自由を制限するために恐怖を与えた。国による典型的な検閲行為で見過ごすわけにいかない」(ヌーワー氏)などと主張。権利の侵害の程度が問題というより、声を上げないことで日本の民主主義や憲法の下の権利が侵されていくことを食い止めたい、としている。

 ヌーワー氏によれば、同氏はシンポの1カ月以上前までに、総務省側に発表資料を渡していたが、同省が発表直前になり急遽異議を唱え、ヌーワー氏に断りも無く同財団法人を通じて発表を中止させたという。【了】

ライブドア・ニュース 佐谷恭記者