はやぶさ2 打ち上げのパブリックビューイングに行ってきた!—会場:多摩美術大学—

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日本時間の12月3日13時22分、2回の打ち上げ延期を経て、小惑星探査機「はやぶさ2」が、無事、種子島宇宙センターからH-IIAロケット26号機で打ち上げられた。その様子を、さすがに種子島まで行けなかったので、パブリックビューイングの会場で体験してきた。

打ち上げのパブリックビューイングは調布航空宇宙センターや日本科学未来館のほか、全国各地で行われる。しかしせっかく参加するなら、開発に携わった人たちと喜びを分かち合いたい。そこで、はやぶさ2に相乗りする小型副ペイロード「ARTSAT2:DESPATCH」の開発メンバーが集まる多摩美術大学の会場におじゃました。

「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」は、多摩美術大学と東京大学のコラボレーションによって進められているアートプロジェクトだ。宇宙開発と芸術表現とを組み合わせることで、宇宙をより身近なものとしようという試みだ。ARTSAT2とあるようにDESPATCHは第2段(ARTSAT1:INVADERは今年2月のH-IIAロケット23号機で、同じく主衛星の相乗りとして打ち上げられた)。

◎打ち解けた雰囲気の中、無事に打ち上げ!
パブリックビューイングの開始は打ち上げ予定時刻の約1時間前。種子島宇宙センターの映像を会場のスクリーンで見ることができた。また、センターとの中継もあり、臨場感あふれる中でロケットの打ち上げに立ち会うことができた。


会場のARTSATプロジェクトメンバー。左から、宇佐尚人さん(東大M1、DESPATCHプロジェクトマネージャ)、時里充さん(多摩美術大学副手)、久保田晃弘さん(多摩美術大学教授)、田中利樹さん(INVADERプロジェクトマネージャ)、木村元紀さん(東大M2)、堀口淳史さん(多摩美術大学卒業生)


いきなり一般人が行っても大丈夫なのかというと、これがけっこう大丈夫。会場は大学だし、しかも平日の昼間で関係者以外あまりいないのじゃないかと思ったが、筆者も含め、思いのほか学外から来ている方も多く、やはり宇宙好き(?)同士、初めて会う人ともすぐに打ち解けられる。また、今回なんといっても話題だったのが、解説の嶋根愛理さん(JAXAの開発員!)の萌え声(と言っては失礼だろうか…)。緊迫した会場に響く嶋根さんの解説コメントが、より会場を和やかにしていた。

多摩美術大学の会場も打ち上げ時刻が近づくにつれ人が増え、打ち上げの際は会場から人があふれるほど。13時22分、無事に打ち上げられるとシャッター音と歓声が! 未見の方は、公開されている動画をぜひ見てほしい。本当に、見事な打ち上げだった。




H-IIAロケットは第1段のエンジンを燃焼終了し分離したあと地球の衛星軌道に、そして第2段のエンジンを使って地球を周回したところで地球の重力圏を脱出する形になる。この第2段のエンジン燃焼の終了後はやぶさ2が分離され、さらに相乗りの副次衛星3機を順次分離。はやぶさ2の分離まで、地球を一周するため約2時間かかるため、パブリックビューイングはロケット打ち上げの第1部と、はやぶさ2分離の第2部に分けて行われた。

◎月よりも遠い"深宇宙"からの電波をキャッチ
はやぶさ2の目的は、はやぶさ1が探索した小惑星(イトカワ)よりも遠い小惑星(1999JU3)の探査。相乗りの副次衛星も地球周回軌道を離れる「深宇宙」への打ち上げとなる。

ARTSAT2:DESPATCHは、搭載されたセンサーからの数値をもとに"宇宙詩"を自動生成し、アマチュア無線帯で送信する。世界各地のアマチュア無線家に受信協力をあおぎ、深宇宙から送信されたデータを復元する「共同受信ミッション」に挑戦する。また、機体は3Dプリンタで出力されたもの。3Dプリンタによる製作物が深宇宙で耐えられるのかという実証実験でもある。電池が切れたら停波してしまうため、機能的な寿命は1週間程度。その1週間が勝負だが、インターネットを通して世界各地から受信報告を受ける計画だという。すでにARTSAT2:DESPATCHからの送信は始まっている。我こそはという方はぜひ!

なお、はやぶさ2が1999JU3から採取した試料をカプセルに納め、地球に帰還するのは2020年の予定だ。

JAXA
ARTSAT project
共同受信ミッションについて


大内孝子