(注)「必要額」は退職後に必要となる公的年金以外の資金総額の平均値、「準備額」は退職後の生活に向けて準備している金額の平均値、「準備率」は「準備額」/「必要額」で算出、「0円」は準備額0円と回答した人の比率、「1000万円以上」は1000万円以上と回答した人の比率 (出所) フィデリティ退職・投資教育研究所、サラリーマン1万人アンケート(2010年、2013年)と勤労者3万人アンケート(2014年)

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フィデリティ退職・投資教育研究所のアンケート調査によると、退職後生活準備額が0円という人が、全体平均で44.8%もいることが分かりました。老後資金の有無を真剣に考えざるを得ない世代である50代でも、男性で32.1%、女性で28.6%が、0円と答えています。
50代といえば、定年退職まで10年足らず。長生きした挙句、所持金が尽きてしまったという老後ほど悲惨なものはありません。「老後難民」予備軍ともいえる準備金0円の人に救いの道はあるのか。
今回、次回の2回にわたって、フィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さんと、セゾン投信代表取締役社長の中野晴啓さんによる、知らないと怖い「老後」の現実、そしてそうならないための処方箋を語ってもらいました。

退職後生活準備金が0円という人が
4割を超える現実

中野 野尻さんとは近い世界にいるのですが、こうして話すのは初めてですね。まずは野尻さんがどういう方なのか、そこからお話ください。

野尻 フィデリティ退職・投資教育研究所というところに所属しています。フィデリティ投信はグローバルな資産運用会社の日本拠点です。そこの投資教育に関する研究機関ということで、おもに定年退職後に関連するお金のアンケート調査と、その分析を背景にした投資教育などに携わっています。

中野 野尻さんが出されるレポートって、結構刺激的って言われていますよ。

野尻 今回も2014年4月に勤労者3万人を対象にした退職準備状況のアンケート調査を行いました。全体で見ると、退職後生活準備金が0円という人が44.8%もいたのですよ。非常に深刻な状況です。働いているうちは、まだ給料が入ってくるから良いのですが、問題は定年になった後です。

中野 今は定年後が第二の人生と言われるほど長生きですからね。

野尻 そうなのです。90歳を超えて長生きしている人って、大勢いるじゃないですか。平均寿命はそれこそ、男性80.21歳、女性86.61歳ですが、現在、60歳の人たちが何歳まで生きるかという「平均余命」は、男性は83.14歳、女性は88.47歳です。この数字も平均ですからね。

中野 100歳以上の人口も40年以上毎年増加しているんですよね。

野尻 定年後になって収入がなくなった時、年金にしか頼れないと、金銭面は非常に心細くなります。特に医療費なんて、年齢を重ねると共にどんどんかさんでいきますからね。

 歳を取ると、あまり食べなくなるし、旅行にも行かなくなるからお金を使わなくなるって言う人もいますが、現実には医療費が想定以上にかかって、大変な思いをしている人も少なくありません。

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