首相演説従来の繰り返し、妥協しないぞとのメッセージ 

【ライブドア・ニュース 25日 東京】 ─ 第162通常国会が21日、召集され、衆参両院の本会議で小泉純一郎首相の施政方針演説など政府4演説が行われた。会期は6月19日までの150日間。首相が「改革の本丸」として掲げ、会期内成立を目指す郵政民営化法案が、最大の焦点だ。

 重要法案や政策課題をめぐって、与党内の激しい駆け引きが予想される今国会の論点について、現代政治に詳しい曽根泰教・慶応大教授(政治学)に聞いた。

―首相の施政方針演説の印象は。
「全体の印象から見ると、新しいことが出てきた施政方針演説ではなかった。従来から言ってきたことを改めて繰り返した。郵政民営化については、自民党の中の人たちが反発するような、従来の主張の繰り返し。だが、『妥協しないぞ』というメッセージは割りとはっきり出ていたと思う」。

―今国会の首相の姿勢は。
「今まで強調してきたことを、ある意味で成果として訴えたい。まだやり残していることがあるから、それをもう少し続けたい。これが首相の基本的な立場だと思われる」。

―郵政民営化について。
「郵政を成し遂げるのが、『男子の本懐』と言っている。それを唱えて、総裁になり、首相になった。『内閣と自民党の双方が妥協できるだろう』と多くの人は予想しているが、意図を読み違えてぶつかってしまうこともありうる」。

―北朝鮮問題について。
「世論調査を見ると、多くが『経済制裁すべし』としている。だが、それに関して首相は非常に慎重だ。日朝平壌宣言や6者協議の枠組みで北朝鮮と交渉する立場を堅持している。その点では、切れ味が悪く映ることもあるが、首相なりの考え方として一貫している」。

―民主党はどう動くか。
「今国会は、『自民党対内閣』という構図。民主党は『どこにいるのか』ということになっている。民主党は『郵政改革をもっとやれ』という立場なのか、あるいは昔でいう全逓など労働組合に配慮した政策を訴えようとしているのか。立場がはっきりしない。首相の主張の矛盾を突くことはできるが、同時に自分の立場を国民に理解してもらうのはなかなか難しい。そこは模索中。そんな感じがする」。

曽根泰教(そね・やすのり)1948年生まれ。75年慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、同大学法学部教授などを経て、94年から同大学大学院政策・メディア研究科教授。著書に『日本の政治は甦るか』共著(NHK出版、97年)、『いま、「首相公選」を考える』共著(弘文堂、01年)などがある。【了】

ライブドア・ニュース 常井健一記者