日銀、政府…爛魯蹈Εン緩和〞の

強引な舞台裏とは?

夕刊最終版の締切1分前、追加緩和は発表された

10月31日午後3時半。日銀本店9階の記者会見場に現れた黒田東彦総裁の眉間には、くっきりと縦じわが刻まれていた。財務官時代から豪胆で知られる黒田総裁だが、直前まで開かれていた金融政策決定会合での追加緩和の決定がいかに困難だったかを物語っていた。新聞夕刊最終版の締切は午後1時45分。その1分前に日銀が追加緩和を発表した。「現状維持」予想が大半だったため、報道関係者は騒然となった。

追加緩和の一報が流れると、株式市場は急騰で反応。3連休前の週末で指値売り注文が薄い中、降って沸いたような買い材料の出現に値付きが止まる銘柄が続出し、同日の日経平均は前日比755円高と急騰した。昨年4月の「異次元緩和」での上げ幅は決定当日が同272円高、翌日が同199円高だったので、今回の急伸ぶりは市場関係者の驚きの大きさを示している。

為替市場も円売り・ドル買いで反応し、国債市場では長期金利が急低下。その後の欧米市場でも株価が上昇し、日銀が世界同時株高を演出した形となった。

今回の追加緩和は黒田総裁が自ら提案した。関係者の話を総合すると、日銀内で追加緩和がおぼろげながらも浮上してきたのは晩夏のころだったという。4 〜6月期に続いて7 〜9月期の消費回復が思わしくないうえ、原油価格の下落が加わり、政策目標として掲げる2%の物価上昇に黄信号がともってきたためである。

(植草まさし)

この記事は「ネットマネー2015年1月号」に掲載されたものです。