『発想の種 IMAGINE [育成編]』茂木 健一郎,川崎 健二 講談社

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 私たちの生活に身近な存在となったIT。昨今のIT技術はめまぐるしい進化を遂げており、いずれはIT化によって自分たちの仕事が奪われるのではないのか、といった心配の声も聞こえるようになりました。

 そんな中、オックスフォード大学が昨年秋に発表したレポートが話題となっています。同大が発表したレポートのタイトルは「未来の雇用:コンピューター化は仕事にどれだけ影響を与えるか」。平たく言うと、IT化の影響で今後20年になくなると見られる職業一覧です。

 気になるその職業は、電話営業をはじめ、裁縫師、スポーツの審判、データ入力者、図書館技術者、納税申告書作成業務、時計修理工など。いずれも単純作業の繰り返しや、機会を相手にした仕事がコンピューターに代わるといったものです。

 大学の発表により、ますます不安になる人も多いかと思いますが、この人の考えはどうでしょう。

"ホリエモン"こと、ライブドア元代表取締役の堀江貴文さんは、書籍『発想の種[育成編]』の中で、このIT化について持論を展開しています。

「IT化による効率化の推奨派なんで、『雇用が失われるじゃないか』って批判をよく受けるんですけど、その通り! それでいいんです。既得権益を守ろうとする抵抗勢力が生まれるけど、ぼくはすべて根絶しろと言ってるわけはない。遅かれ早かれ、既存の職業っていうのはなくなっていく。大きな流れで言うと、20世紀型の製造業型の雇用はなくなる。雇用っていう概念すらもなくなるかもしれない。自らつくり出して、自ら稼ぐっていう時代に変わってくるかなって、働くってことが。そういう今までなかった仕事、あるいは遊びだと思っていたけど仕事だった! みたいなものが増えてきますよ」(同書より)

 本当に20世紀型の製造業型の雇用がなくなるとすると「不安になるな」というのも無理があるような気がします。しかし、堀江さんは、そうした未来に対して、不安になるのではなく、怯えずにたくましく生きることが大切だとアドバイスしています。

「未来に怯えないこと。もう計画を立てるなって。計画通りに行くことなんか、人生ないと思う。ザ・ブルーハーツの『旅人』っていう歌に出てくる、『旅人よ、計画通りに行かないことがたくさん』っていうフレーズが好きで。まさにそのフレーズに象徴されていると僕は思う。計画なんか、もう意味がない。ただ今を生きている、というだけのほうが幸せだよね」(同書より)

 インターネット黎明期にITビジネスにいち早く着手し、プロ野球球団の買収表明やニッポン放送買収、衆議院選挙出馬など、多くのことにチャレンジしてきた堀江さんだからこそ、「未来に怯えない」という言葉に重みがあります。

 IT化によって多くの仕事がなくなるのは、ある程度は仕方のないこと。そこは割り切って、今は目の前のことに注力し、現れた壁に対しては柔軟に乗り越える。そういった未来に怯えない逞しさが、今後を生きる私たちに必要なのではないでしょうか。