羽生結弦氏が「NHK杯に出られるかどうか」の戦いに勝利し、あの日の勇気・決断・後押しを大きな収穫に変えた件。
隣にある死を見つめて、そのギリギリを攻めろ!

ひとりの選手の容態に日本中が注目した3週間。人々の不安を断ち切るように、王者はリンクに帰ってきました。まだ痛みはあり、決して万全とは言えない状態。それでも王者は力強い演技で復活の半歩を刻みました。選手生活の中でも大きな意味を持つ半歩を。

先日行われた中国杯における、羽生結弦氏のアクシデント。中国のハンヤン選手と練習中に衝突し、羽生氏は激しく頭部をリンクに打ちつけました。その後、ふらつきよろめき、おびただしく流血しながらも試合を続行した羽生氏を巡り、世間では「やめるべきだった」「危険だったのではないか」「いや、怪我にも負けない演技に感動した」と議論も起きました。

迎えたNHK杯。出場するのかしないのか、その見極めはギリギリまで行なわれました。出場を決断したあとも、前日会見では怪我について多くの関心が寄せられました。「脳が揺れた感覚はあまりなかった」「アメリカのドクターがすぐに診断してくれた」といった状況説明に始まり、「セカンドインパクト」などの単語を出しながら事故時の内情について回答をつづけた羽生氏の姿。

少し怪我の話に憤っていたでしょうか。それは周囲の判断の是非が議論の焦点となっていたせいかもしれません。コーチや連盟の関係者はちゃんと見てくれていたこと。最後の決断はあくまでも自分自身の意志であること。羽生氏が繰り出す言葉は、チームの正当さを、丁寧に、しかし強く主張していました。

その姿を見て僕は、もはやこのNHK杯はタダの試合ではないのだと悟ります。

怪我の具合とGPファイナル出場権を天秤にかければ、回避してもおかしくない状況です。五輪後のシーズンなのですから、GPファイナルのひとつやふたつ休んでも何の問題はないでしょう。しかし、このNHK杯に出場しなければ中国杯のリスクテイクが無為になってしまう。限界への挑戦を後押ししてくれた周囲の人々の気持ちまで無為にしてしまう。それは許されないのだ、と。

羽生氏は、決していい演技ではありませんでしたが、予定通りNHK杯のリンクに立ちました。こうしてリンクに立ったこと、それ自体が大きな勝利だったように思います。最終結果はどうなるかわかりませんが、仮にGPファイナルの出場権を逃したとしても、あの日の勇気や決断を無駄にはしなかったのですから。後押ししてくれたチームにも、これなら顔向けできるでしょう。

人生はときに不都合です。不運は時と場所を選んでくれません。すべての幸運を願う日に限って、すべての不運がやってくるようなこともあります。限界を追い、頂点を狙うのであればなおのこと。五輪の大本番で怪我をしたり、五輪の大本番で靴紐が切れてみたり、すぐ隣に魔物が待っているのが頂点の戦いです。しかし、それを紙一重まで攻め切った者が、結局は勝つ。だから、攻めるしかないのです。そして、攻めたことで何かが起きたとしても、甘んじて飲み込むしかないのです。

中国杯からNHK杯への道のりは、リスクを飲み込める範囲を少し広げたという意味で、羽生氏にとっても大きな収穫となったのではないでしょうか。「ま、何かあっても、何とかなるな」と確認できたのですから。「限界まで紙一重」から「限界まで紙半重」へ、さらに攻めていく超攻撃的羽生氏の未来像に、期待が膨らむ道のりだったように思います。無理した甲斐がありましたね。

ということで、「今回はたまたま無事だっただけで、この経験は1回でいいんだぞ」と念押ししつつ、28日のNHK中継による「フィギュアスケートGPシリーズNHK杯 男子ショートプログラム」をチェックしていきましょう。


◆羽生氏の容態への国民の関心は、陛下とかトキに匹敵するレベル!


みなさまのNHKが総力体制でお送りするフィギュアスケート・NHK杯。中継ブースには人気の夫婦漫才・ノブナリ&アキコがスタンバイし、ウォームアップエリアにはちょっとエッチな隣のお姉さん・浅田舞さんが待ち受けます。メイン解説席には八木沼純子さん・本田武史さん、幕間のインタビューVTRには荒川静香さん、さらに夜のニュースには太田由希奈さんまで登場するなど、フィギュア関係者が全員集合の勢いです。

↓もちろん、話題のあの人も全力応援中です!

行かないことが私にできる最大のサポート!

現場を混乱させないオトナの配慮、感じます!

これだけ集まれば、ホーム…というかアットホーム感覚になるのは当然でしょうか。ペアのSPに登場した高橋・木原ペアは転倒などのミスはあるものの、笑顔いっぱいの演技で会場を沸かせます。女子SPでは村上佳菜子、宮原知子、加藤利緒菜の3選手が奮闘。特に、SP3位となった村上佳菜子ちゃんは滑り切った直後からガッツポーズを連発する、会心の演技。自宅にいるみたいなリラックスした表情に、コチラまでニッコリしてしまうほどのイイ演技でした。

↓カナコスマイル!カナコグワシグワシ!カナコイェイイェイイェイ!


大きなグワシ!とリラックスしたイェイェイ!

GOEで加点がもらえるリアクションです!

↓ちなみに放送席には「コチラまで泣いちゃうわー」と先に泣き出したオッサンがいた模様!

直前に滑ったレオノワの演技がよかったのね!

すごいレオノワの空気でカナコちゃんが滑ったのね!

そこで空気すら塗り替える会心の演技をカナコちゃんがしたと!

そしたら、感極まって泣いちゃったと!

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さぁ、大盛り上がりの中で迎えた男子シングル・SP。羽生結弦氏の容態がどうなのかという点は、もはや国民的関心事です。NHKもその辺りの国民感情を察知したか、ほかの選手は半ばそっちのけで羽生氏をひたすらに追います。会場入りする羽生氏。スマホで自分の動画をチェックする羽生氏。ストレッチする羽生氏。音楽にノリノリで指を振り回す羽生氏。ひとりカラオケみたいに何やら熱唱する羽生氏。羽生・羽生・羽生の連続攻撃です。

しかし、そうは問屋が卸さない。羽生氏だけ見ているなんて勿体ない。充実の日本男子が、羽生氏の怪我のぶんまで存在感を発揮します。まず第1グループで登場したのは村上大介さん。名前がダイスケ、髪型がちょっとウェーブかけたパーマ、胸元開いたラテン系の衣装。お茶の間からは「高橋大輔?」「…のコスプレ?」「もしくはソックリさん?」と驚きの声が上がります。

↓ソックリさんじゃないです!顔がソックリじゃないです!あと、村上佳菜子ちゃんのお兄さんとかでもないです!



どうでもいいけど、この大会ムラカミ・ムラカミ・オペラ座・オペラ座・オペラ座でいろいろ被りまくりだなwww

全体的に紛らわしいwww

↓なお、この村上さんはミキとツイッター上での交流がある貴重なスケーターです!

よーし、結婚式には「新婦友人」枠でご招待だ!

あとで交際お祝いツイートもお願いしますよ!

「スケーター仲間が誰もお祝いツイートしてない」ってネットニュースになってますからね!

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そして迎えた第2グループの演技。直前の6分間練習では、あんなことがあった直後だけに、なみはやドームの大観衆も息をのんで見守ります。期待と不安との交錯。そんな中、羽生氏がしっかりと4回転を決めると、練習とは思えない大きな歓声が上がる場面も。うん、容態は回復に向かっているようで、ひと安心です。

まず印象的な演技を見せたのは、アメリカのアボットさん。ソチ五輪では無念の演技となったアボットさんですが、その無念がリンクに留まる決断をさせたでしょうか。柔らかなスケーティングと、音楽と一体となるアボットさんの世界観を今年も見られるのは、日本のファンにとっても嬉しい話。今季からボーカル入りの楽曲を使えるようにルールが変更されましたが、アボットさんが現役のうちに間に合ってよかったなと思わされる素敵な演技でした。そんな好演技の前では、「これ2分54秒を狙ってないか?」という攻めすぎの演技時間も、案の定タイムバイオレーションで1点減点されたこともご愛嬌ですよね。

↓もう少し出だしで動くのを我慢すべきだったか…!?



いや、最後に手をギュッと握るのが遅かったのかwww

指揮者がギュッと握るまでが演奏に見える感じでwww

アボットさん余韻楽しみすぎwww

そのアボットさんの好演をも上回ったのが、日本の無良崇人さん。無良さんは4回転トゥループからのコンビネーションをクリーンに決めると、高くて雄大なトリプルアクセルで加点をゲット。演技中盤から手拍子が起こり、演技後にはスタンディングオベーションで日の丸が揺れます。金メダリストが怪我でも、日本のリンクを沸かせるスターはちゃんといる。昨季の町田樹快進撃を思わせるような、無良快進撃、完全に始まっています。

↓無良さんは86.28点の自己最高点でSP首位発進!


GPファイナル見えたな!

そろそろ無印良品からチラシ出演の依頼が来てもいい頃!

さぁ最終演技者・羽生氏の登場。羽生氏は冒頭の4回転でアンダーローテション&転倒。カウンターターンからのトリプルアクセルは決めますが、トリプルルッツからのコンビネーションは2つめのジャンプがシングルとなるミス。2回転以上という規定を満たせず、GOE含めて大きく得点を失います。

それでもスピンは3つともレベル4、さらにステップでは出場選手でただひとりレベル4を獲得。演技構成点でも全体トップとなるなど、「できる範囲でできることをちゃんとやった」という演技でした。トップの無良さんとは8点以上の差がついたものの、表彰台までは2点を切る差です。フリーでの巻き返し、十分期待できるのではないでしょうか。

↓悪いことは悪いけど、全体としてはそこまで悪くない演技!


演技後、本人もホッとしたような表情!

ジャンプが決まれば、まだまだイケる!

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あんなことのあとなので、緊迫感だったりヒヤヒヤしたり、まったりと見られない向きはあったかと思います。本人も、成り行きとは言え「死と隣り合わせ」なんて緊迫ワードを記者会見で言ってしまうなど、不安を煽ってしまった面もあったように思います。

ただ、この日の演技を見れば、もうコチラが心配することはなさそう。痛いことは痛いのでしょうが、身体が痛くないアスリートなんていません。それはもう頑張るしかない部分。フリーはお茶でも飲みながら、まったりと見守りたいところ。来月7日には誕生日を迎え、20歳となる羽生氏。10代最後の輝き、本人も観衆も笑顔で終われるよう、お祈りしております。

練習時は周囲の確認を!ハプニング要素は殿だけで十分足りてますので!