スウェーデン・イェーテボリ大学の中高年女性を対象とした研究で、嫉妬深い女性はアルツハイマー型認知症(AD)発症リスクが高い、という結果が報告されている。

 同研究は1968年にスタート。スウェーデン在住の800人の女性(研究開始当時の年齢は38〜54歳:平均年齢46歳)を対象に、38年間にわたり追跡調査を行ってきたもの。この間、74年、80年、92年、2005年に中間調査を実施している。

 追跡対象者に対しては、神経症的傾向と外向性・内向性のレベルを調べる「アイゼンク(モーズレイ)性格検査」を実施。AD発症の判断は、精神障害の国際診断基準と個々人の病歴や保健データに沿って行った。このほか、過去5年間のうちに1カ月以上続く睡眠障害や神経過敏、短気、過緊張などストレス反応があったかどうかも調べている。

 38年間の追跡期間中、153人の女性が認知症を発症し、このうち104人がADを発症した。また、ストレス反応の有無や性格検査に基づくデータとクロスしてみると、「罪悪感を持ち、怒りや不安、嫉妬、不機嫌」などに陥りやすい「神経症的傾向」で内向的な女性は、最もAD発症リスクが高いことが示された。該当女性の4分の1がADを発症していたのである。

 一方、外交的で神経症的傾向がない女性の発症率は13%にとどまった。また、単純に外交的、あるいは内向的であるだけではADの発症率に差は生じないことが示されている。

 こうなると、神経症的な性格傾向もAD発症リスク? と考えてしまいそうだが、AD発症には病因遺伝子変異や生活習慣の乱れなど様々な要因が絡んでいる。神経症的な性格傾向は睡眠障害や、ストレスの代償としての暴飲暴食、肥満を誘発し、間接的にADリスクを高めてしまうのだろう。

 ともあれ、中高年期の性格傾向が40年後の自分に仇をなすかもしれないことは分かった。研究者は「今回は女性が対象者だったが、男性にも同じ傾向が当てはまる」と考えている。さて、貴方はどうでしょうか。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)