また出た!「横綱の品格」問題(画像は白鵬のブログ)

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横綱白鵬は日本人が期待する横綱像と離れている。土俵上の態度を改めるべきだ――漫画家で元相撲協会外部委員のやくみつるさん(55)のそんな解説が物議を醸している。

白鵬は2014年11月23日の大相撲九州場所千秋楽で32度目の優勝を決めた。これは大鵬が持っている史上最多優勝記録に肩を並べる偉業であるにも拘らず、なぜか優勝を祝う一方、やくさんのように白鵬の土俵での態度を「横綱らしくない」などと批判する声が出ているのだ。ある専門家は「千代の富士を抜き大鵬と肩を並べたことへのやっかみが角界にあるからではないか」などと語っているが、本当なのだろうか。

立派な横綱だと尊敬されるためこれを機に改めていただきたい

やくさんは白鵬が優勝を決めた直後からいろんなメディアで白鵬批判を展開してきた。14年11月24日放送のフジテレビ系ニュース番組「スーパーニュース」でこんなことを語った。優勝記録は素晴らしく、これから白鵬を超えるような横綱は生まれないかもしれないが、土俵上の態度は成績ほど備わっていない。宮城野部屋にも懸賞金の取り方が荒いからどうにかしてほしいという苦情の手紙も来ている。

「日本人が期待する横綱像とは悲しいかな離れてきている。立派な横綱だと尊敬されるためには、改めるべきはこれを機に改めていただきたい」

などと苦言を呈した。

やくさんの言う土俵上の態度というのは、土俵の外に出て負けた対戦相手にダメ押しをしたり、懸賞金を片手で取るといった行為だ。スポーツジャーナリストの岡田忠さんは「白鵬は品のない横綱だ」と酷評する。相撲はスポーツだが古来独特の「相撲美」が必要なのに、土俵入りでは「節」がなく、スケジュール通りこなしているような感じだ。塩を取りに行く際にもゆっくり堂々と行かなければならないのに跳ねてまるでカエルのようだ。

「相手を突き飛ばすダメ押しは勝負に対する執念ともいえるが、武士の情けというか堪えることが大切で、土俵の外に出た相手を引き起こしてやるくらいでなければならない。しかもダメ押しで観客を危険に晒すことになる」

と岡田さんは説明する。日本相撲協会の横綱審議委員会も14年11月24日の定例会合で、 ダメ押しや懸賞金の受け取り方について

「委員から『態度が悪い』と批判が出た」

などと記者会見で話している。

しかし腑に落ちない点もある。白鵬に対する土俵上の振る舞いについて批判が目立つようになったのは最近になってからであり、もともと白鵬は元横綱・朝青龍と比べられることが多く、真面目、優等生、日本に溶け込んだ横綱らしい横綱、などと讃えられていたはず。どうしてこんな評価になったのだろうか。

八百長騒動から大相撲を復活させたのは白鵬人気である

ネットではやくさんの白鵬批判について、白鵬の土俵上での態度が悪いのは確かだと賛同する意見もあるのだが、

「すでに『大横綱』としての風格も実績も身につけたというのに、こんなこと言われたらたまったもんじゃないよなぁ」
「白鵬は言葉選びも丁寧だし謙虚だと思うけどね」
「野球界も相撲界も一緒やね。次のヒーロー探す為に、現役大物選手のケチ付ける連中が沢山いる」
「今の日本人は横綱になれないけど、昔の日本人の横綱だってそんなに品行方正じゃなかったでしょ」

などと白鵬擁護の意見が圧倒的に多い。

スポーツジャーナリストの菅谷齊さんは、やくさんの白鵬批判に「言いがかりなのではないか?」と首を傾げる。白鵬は飛び抜けた見栄えの良さと強さを備え持つ50年、100年に1人出るかわからない大横綱になっていて、大相撲界への貢献は枚挙にいとまがない。八百長騒動で人気がガタ落ちした大相撲を復活させたのは白鵬人気であり、横綱になってから一度も休場がないというのも特筆すべきことで、角界を支えてきた英雄だ。ダメ押しが問題になっているが観客はああいう真剣勝負が見たいのであり、白鵬が相手を派手に破った時が一番歓声が上がる。日本と日本語を理解し、優勝インタビューでは日本の歴史を基に薀蓄まで述べる。

「そんな白鵬を批判する人の気持ちがわかりませんね。批判の声が高くなったのが千代の富士の優勝記録を抜きそうになった頃からだとすれば、何か角界に妬みとか、やっかみとか、嫉妬とかが生まれた、そんな気もしますね」

と菅谷さんは話している。