一方、男性へのアンケートでは「酒を飲む」が最も多かったという。
 「勤務先でのモヤモヤはたくさんあるが、職場の同僚や先輩たちと一緒に会社の仕事のことや上司に対する不平不満をお互いに言い合うことが、一時的な発散になっています」
 「学生時代の友人と酒を飲んでお互いの仕事や過去の思い出などを語り合い、憂さを晴らしていると、翌日スカッとする」
 などなど。

 『“いい人”をやめると病気にならない』(帯津良一著・SB新書)という本が出版されている。同書はまさに“いい人短命論”を医学的に検証し、医者と薬を遠ざけるための工夫を紹介している一冊だ。
 著者は、西洋医学と東洋医学の考え方を融合させた統合医学の権威として知られる帯津医師。現在のストレス社会を憂いながら「あまり真正面から受け止めず、上手に受け流す」ことをストレス解消のテクニックと叙述している。
 「何事にも真面目な“いい人”は、健康管理にも真剣だ。しかし、真剣も度を越すと、逆に不健康を招きこむ。健康のためなら死んでもいい、という“健康オタク”になっては本末転倒です」と説き、不摂生でも、ときめきを感じるような生活を追い求め、“ちょいワル”に生きた方が免疫力を高く維持し、結局、がんなどの病気を押しのけることにも繋がるというわけだ。

 つまり、ストレスを感じたら酒を飲んで憂さを晴らすのもいいし、著書に書かれている「ケチらずお金を使いましょう」「メタボ健診の数値は無視せよ」「適度なストレスは人生のスパイスと思え」「一病あってもぼちぼち暮らしていこう」などを実践していくのもストレス解消になるとしている点に、同医師の薀蓄さが窺える。
 確かに、こうした考えには、誰にでも親切で健康にも人一倍気を使っている人が、若くして命を落とすことが珍しくないといわれる背景がある。だからといって、他人に迷惑をかけ放題で好き勝手に生きていいわけがない。

 ストレス問題に取り組む医療ジャーナリストはこう語る。
 「帯津先生が言われている“ちょいワル”な生き方は、一つの環境に閉じこもるのではなく『気ままで楽天的、不真面目なところがあるのに趣味や遊びにも精通し、懐の深さがある人。ときに日常離れし、家と会社以外に居場所を作る…』そんな人が、ストレスを回避するとおっしゃってるのだと思います」

 また、幅広く医療問題を研究する東京社会医療研究所の片岡剛正氏も、ストレス緩和効果について、こんな提案をしている。
 「ストレス解消法として女性のトップは“誰かと話す”ことで、男性は“酒を飲む”ことが首位。話し好きだったり、酒を楽しく飲める人はストレスが小さいという調査結果もあり、緩和効果が期待できます。ただ、酒の飲み過ぎは心身にいいことではないので気をつけたい」

 さらに私たちの中でいうストレス解消の極意は「力まず・避けず・妄想せず」だという。
 「『力まず』は寝る、話をする、酒を飲むこと。『避けず』はストレスの原因を取り除くため、夫婦の事はパートナー、職場の事は上司とよく話し合うこと。『妄想せず』は、考え過ぎや思い込みを避けるために、散歩や運動などで頭をからっぽにすることです」
 つまり、ストレスは負債、リラックスは貯蓄と考え、ストレスに潰されないように工夫して乗り切ることが大事と言うことだ。

 ストレスに負けないためには、“ちょいワル”な人間でもいいのでは?