22日放送、テレビ東京「FOOT×BRAIN」には、サッカー審判員である西村雄一氏が出演。主審を務めたブラジルW杯開幕戦で物議を醸したPK判定について、改めて説明した。

今年の6月12日、ブラジル×クロアチアの一戦では、後半24分にブラジルのフレッジがペナルティエリア内でクロアチアのロブレンに左肩を掴まれ、引き倒された。

このプレーをファウルとした西村氏。番組ではサッカー解説者・都並敏史氏が「手はかかっているけど、それほど強く引っ張ってはいないのにフレッジが大袈裟に倒れた。それほどの強さで引っ張ってないのでファウルじゃないなと一瞬思った」と話すと、西村氏は理路整然と下記の通りに弁明した。

「実はホールディングって、行為だけでファウルと見なされるというのをあまり知らされなくて。なぜかと言うと誰かを掴もうと自分に意図がないと掴まない。サッカーのルールで言えば、その行為で反則とみなされる。結果、強い選手であれば耐えて前に行くかもしれないし倒れないかもしれないけど、今回は相手が倒れるに至る原因となった。

(ロブレンの)左手ですね。私が見ているのはここでもうフレッジ選手はシュートなんですよね。ボレーシュートなんですけど、左足で。イメージ通りのプレーができなかった原因になってしまったのでホールディングでペナルティキック。フレッジ選手のトラップがボールともっと離れていたら吹けなかったです。ボールが落ちてくる前にボレーシュートを打ちたいって思っているので、それの一発目をやられちゃうと、そういった判定をさせて貰った。

シミュレーションじゃないかっていう意見も多数あったんですけど、サッカーのシミュレーションの考え方に2つくらいポイントがある。1つは接触がないにも関わらずファウルを装って倒れる。もう1つは接触を避けられるにも関わらず、接触を作りだしてファウルを装う。

今回のケースで言えば、フレッジ選手は自分から接触を作っているわけではないので、シミュレーションの選択肢はないんですけど、世の中の人は大袈裟に倒れたことをシミュレーションだと捉えている部分があって、その2つが世の中になかなか伝わっていないので“レフェリーなにやってんだ”っていう意見が多かった」