男性にファンが多いと言われる鉄道と列車の旅。だが、できることなら女性とも列車の旅を楽しみたい。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏による連載『“おとな旅”コンシェルジュ』から、元祖「鉄子(てつこ)」(女性鉄道ファン)がすすめる、家族連れや女性にも人気が高い列車の旅を紹介する。

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 オトコなら誰もが憧れる列車の旅。気になる女性と肩寄せ合いながら車窓を眺める旅ができたなら、どんなに楽しいだろう。しかし、オトコの自己満足な列車旅は、女性がもっとも忌み嫌うもの。いくら車窓が素晴らしいからといって、各駅停車を何時間も乗り続ける旅やら、マニアックな車両に乗るのが目的の旅などは、「鉄ヲタ(=鉄道オタク)」の烙印を押されて、半径10メートル以内に近づいてもらえない可能性が高い。

 では、いったいどんな列車旅ならば女性の心がつかめるのだろうか? これは当コンシェルジュにとっても難問だ。そこで“助っ人”に尋ねてみた。元祖「鉄子」で鉄道フォトライターの矢野直美さんだ。

「そうですねー、やっぱり女性に人気があるのは、デザインがおしゃれなJR九州の特急列車ですね。私のおすすめは、豊肥(ほうひ)本線の熊本と宮地(みやじ)を結んでいる『特急 あそぼーい!』。大人用の座席の隣に子供用の小さな座席が並んだ親子用席の『白いくろちゃんシート』があったり、ご家族連れが遊園地みたいに楽しめる列車なんですよ」(矢野さん)

 ふむふむ。いや、知りたいのは家族向けじゃなくてカップル向けの列車なんだが……。

「和歌山電鐵貴志川(きしがわ)線の『たま電車』も女子ウケいいですよ。終点の貴志駅には、猫の駅長『たま駅長』が勤務しています。乗車時間も片道30分と短いし、貴志駅にはカフェもあるから、電車に乗るのに飽きてしまいそうな娘さんと一緒でも楽しめますよ」

 いや、だから家族のことは忘れて、気になる女性と……その……。

「なあんだ、それならとてもオススメの列車がありますよ。今年の5月にデビューした観光列車『越乃Shu*Kura(コシノ シュクラ)』です。この列車のコンセプトはずばり、『地酒』です。信越本線の高田と飯山(いいやま)線の十日町(とおかまち)を結ぶ(日によっては越後湯沢や新潟行きもあり)快速列車なんですが、車内で地元・新潟の地酒の無料試飲や有料の利き酒が楽しめるんです。日本酒好きの女性には最高の列車じゃないでしょうか」

■鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)/千葉県富津市生まれ。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。文化放送「オトナカレッジ」に「トラベル学科」講師としてレギュラー出演中(毎週金曜日20時〜)。著書に『That’s ANA マニュアル ANA 公式ガイドブック』『エアラインの攻防』など。1年間のフライト数は100以上。

※週刊ポスト2014年11月28日号