今年納めの九州場所(福岡国際センター)が11月9日から始まった。昭和以降最速の入幕2場所目で関脇に駆け上がった逸ノ城が再び旋風を巻き起こすか注目されているが、大鵬の持つ史上最多32回優勝にあと“1”と迫っている横綱・白鵬からも目が離せない。

 初日、平成9年以来17年ぶりの“満員御礼”が下がるなど、福岡でも大相撲人気はうなぎ上り。しかし、場所前の稽古はどの力士も低調だった。中でも人気者の逸ノ城は帯状疱疹で秋巡業後半を休場した上、福岡入り後も下半身の違和感を訴え、ついに予定していた出稽古は1日もなかった。

 このトラブル続きの若手に歩調を合わせるように白鵬の稽古熱もいまひとつ。このところ稽古期間が短くなり、稽古量も落ちてきているが、この場所は特にひどかった。秋巡業中はほとんど稽古らしい稽古はせず、やっと動き出したのは福岡入り後の10月29日になってから。
 「実質的な稽古期間は1週間程度。それも今場所は出稽古を極力セーブ。デリバリー稽古と称して11月4日には琴奨菊と豊ノ島、5日は友綱部屋の力士や蒼国来を電話で自分の部屋に呼んで汗を流していました。稽古量は2日間で30番余りと相変わらず少な目。こんな稽古で大丈夫かな、と心配になるぐらいでした」(担当記者)

 唯一、出稽古に出掛けたのは6日の境川部屋。3連敗中の豪栄道と手合わせして攻略法を探るためだったが、残念ながらお目当ての相手は体のケアのために東京に帰って留守。「いやあ、肩すかしを食らったな」と苦笑いする一幕もあった。

 こんな稽古でも、目下3連覇中なのだから文句はあるまい、と言われればそれまでだが、この数場所、一時のぶっちぎり独走が影を潜め、混戦をやっと勝ち抜くという苦戦が目立っているのも事実。もう年齢的に無理が利かなくなってきているのか、それとも単なる手抜きなのか。

 大鵬は白鵬が最も尊敬する横綱。せめて肩を並べるときぐらいは、「さすが白鵬」と言われる、内容の濃い場所を期待したいものだ。