「ナチュラルなストライカー」とアギーレ監督が評する岡崎だが、この試合では得点以外の部分での貢献度も非常に高かった。 (C) SOCCER DIGEST

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 1-0で迎えた68分、右サイドを深く抉った森重のマイナス気味のクロスに対し、右足を後ろに伸ばして巧みにヒールに当てて、ゴールに流し込んでみせる――。
 
 テクニカルなシュートを「気持ちっすね」と“らしい”コメントで振り返り、頬を緩めた。
 
「テクニックというよりは多分、決めたいという気持ちがああいうゴールを生んだと思う」
 
 日本代表の歴代得点ランクでは3位、現代表では最も多くのゴールを決めている男が、新体制6試合目にしてようやく奪った“初ゴール”。ただ、本人に焦りはなかったという。
 
 それよりもむしろ、自身になかなかボールが入ってこない、うまく引き出せていないことのほうが気がかりだった。
 
 しかし、このオーストラリア戦は違った。
 
「自分の好きなボールを放り込んでくれる形が多かったし、自分にとってはやりやすかった」
 
 思い通りのプレーができなくても、周囲との刷り合わせは常に意識してきたし、要求もしてきた。「自分が良いところにいれば当ててくれる」と、動き出すタイミングやポジショニングの改善にも努めてきたのだろう。
 
 その結果、この試合では前線の基準点として機能し、攻撃を勢いづけることができた。
 
「僕が(収めて味方に)落とせば、武藤や圭佑(本田)が活きる」と、周囲との関係性でもポジティブなシーンが多く見られた。
 
 攻撃面だけでなく、前線からのハイプレスも精力的にこなした。ここでは、システムが4-3-3から4-2-3-1に変わったのも大きかったという。
 
「それまでは僕が相手の3人(1ボランチ+2CB)を見ていたけど、(4-2-3-1になってトップ下に入った)真司(香川)がボランチを見ることで、自分がCBに行けるようになった」
 
 負担が減ったことで、ディフェンス面でもより効果的な働きを見せられるようになり、相手のビルドアップを遅らせるなど、ペースを引き寄せる引き金にもなった。
 
 攻守両面で確かな手応えを感じられたのは間違いない。「システムを変更しても、ぎくしゃくしなかった」と、チームとして戦いの幅を広げられたことにも自信を深める。
 
 2014年の締め括りで、結果的に決勝点となるゴールを決めた岡崎が、改めてその存在感を見せつけた。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)