アジアカップ前の最後の試合で、日本のファンに難敵相手の勝利をプレゼントするというアギーレ監督の最大の目的は果たされた。そしてチーム作りも順調とのこと。 (C) SOCCER DIGEST

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◇試合の感想
 
 この試合の目的を果たすことができた。それは勝つことだ。サポーターの方々が喜んで帰路につくことを望んでいた。
 
(今日の試合は)アジアカップに向けての最後の試合だった。今回の合宿には新たに、遠藤(保仁)、乾(貴士)、今野(泰幸)、豊田(陽平)の4人が参加し、全員が期待に応えてくれた。これで喜んで、いったん家に帰ることができる。
 
 12月29日からはアジアカップに向けての合宿が始まり、そこからディフェンディングチャンピオンとしてタイトルを守るための仕事が始まる。
 
◇質疑応答
 
――後半はボランチを2人に増やしたが、前半を見ての判断か、当初のプラン通りだったのか?
 
 後半からではなく、前半のうちにシステムを変えていた。(香川)真司をトップ下に置き、長谷部(誠)と遠藤をダブルボランチにした。
 
 そうしたのは、相手のプレーを見てのことでもあるし、こちらが快適にプレーできていなかったからでもある。サッカーは戦略のゲームだ。そして幸運なことに、このチームには複数のポジションをこなせる選手がいる。
 
 それから、ホンジュラス戦も今日の試合も、途中から入った選手が良いプレーを見せてくれた。
 
――システムを変えてからの選手のプレーについては期待通りか、あるいは期待以上のものだったか?
 
 前半は、相手がかなり強いプレッシャーをかけてきていたので、(パスを)つなげることができなかった。しかし、それが90分続かないだろうという予測の下、我々はプレーし、その通りの展開になった。
 
 2つのゴールが決まり、それ以外にも決定機があった。このことには、チームの全員が喜んでいる。
 
――最後に失点してしまったが?
 
 失点とは、常に不快なものだ。無失点で終わりたい。GKにもDFにも「今日は無失点で終わろう」と話していたが……。(失点場面については)相手のプレーが良かったということでもある。
 
 ただ、試合を通して見れば、我々のDF陣は良い仕事をしていたと思う。オーストラリアは、決定機を2回しか作ることができなかった。
 
――この2試合ではベテラン選手を招集したが、それは若手が伸び悩んでいるということなのか?
 
 試合プランというのは、あらゆる視点から組み立てることができる。そして、プランを組み立てるために、それに適したプレーができる選手を選んでいます。
 
 私は年齢ではなく、質で選手を選んでいる。ベテランで勝つとか、若手で勝つということではなく、日本代表というひとつのチームとして全員で勝てるかが大事。ベテランがプレーする試合もあれば、若手がプレーする試合もある。
 
【ゲームphotoギャラリー】 日本 2-1 オーストラリア
――昨日の会見では、アジアカップの招集メンバーについて「(今日の)試合後、寝る時までに最後の1〜2人以外は決めたい」と話していたが?
 
 ここまでの6試合で、38〜40人の選手を招集してチームのコンセプトを固めてきた。アジアカップの出場メンバー決定に向けて、まず早いうちに50人のリストを作成しなければいけないのだが、それは大体完成した。
 
――アジアカップ連覇に向けて手応えは?
 
 8月に来日した当初から、私は「アジアカップは勝たなければならない大会」と言い続けてきた。それは今も変わらない。私だけでなく、選手たちもそう考えている。誰がプレーしても、どういう形でプレーしても、その気持ちだけは変わらない。
 
――前半の序盤、左サイドから何度も攻め込まれたが、あれは左ウイングの武藤(嘉紀)の守備に問題があったのか?
 
 武藤と(本田)圭佑、あるいは乾と圭佑の時も、守備での仕事内容は同じだった。パスコースを消し、相手のSBにプレッシャーをかける。相手のSBが上がれば、それについて行って、クロスボールを阻止するというものだ。
 
 オーストラリアは前半、前からプレスをかけてきており、日本はあまりボールを持てなかったので、攻められたというイメージを持つかもしれないが、相手のチャンスはヘディングの1回のみだった。
 
 2人ともしっかり下がって守備をしていたので、満足している。
 
――この6試合で、チーム作りは予定通りに進んだのか?
 
 ここまで、このチームはプレーの形や激しさを習得してきた。前進しているのは間違いない。計画通りだと言っていい。(0-4の大敗を喫した)ブラジル戦も、我々にとっては有益なものだった。
 
――2点目を決めた岡崎慎司の評価は?
 
 岡崎はナチュラルなストライカーだ。生まれ持った素質を使い、常に戦い続けている。毎試合、彼にはチャンスが訪れていて、今日の試合で決めることができた。しかしそれよりも、チームが勝つことが重要だ。
 
――日本にとってはトラウマにもなっているティム・ケイヒルに、またもゴールを決められてしまったが?
 
 彼はどこにいても点が取れる選手だ。試合前のミーティングでも、彼のことには触れていた。今後はケイヒルに限らず、ヘディングでゴールを決められないよう、修正していきたい。
 
――前半は、シンプルに長いボールを送ったり、スルーパスを真ん中から通したりする形が多かったが、後半はパス交換をしながら、逆サイドに1人余らせておいて、そこからゴールを狙う形に変わった。これはイメージ通りの攻撃だったのか?
 
 相手のプレッシャーがかかっているなかでは、ボールをつなぎにくくなるし、自陣でミスを犯せば、即ピンチになってしまう。そういう時は、自軍のゴールから遠いところにボールを持ち込み、相手のハーフの位置でプレーしなければならない。
 
 後半に入り、相手も少し疲れ、引いて守るような形が目立つようになった時、我々がボールをつなぐスペースが生まれてきた。
 
 つまり、今日はそのような異なる状況に合わせてプレーできたということだ。しっかりつないでプレーすることもできるし、勝つためのプレーもできるようになった。