『愛して飲んで歌って』 ©2013 F COMME FILM - FRANCE 2 CINÉMA - SOLIVAGUS

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アラン・レネ監督の映画『愛して飲んで歌って』が、2015年2月14日から東京・神保町の岩波ホールほか全国で公開される。

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『夜と霧』『二十四時間の情事』『去年マリエンバートで』など数々の作品を手掛け、今年3月1日に逝去したアラン・レネ。同監督の遺作となった『愛して飲んで歌って』は、イギリスの戯曲家アラン・エイクボーンの『お気楽な生活』をもとにした作品で、レネによるエイクボーン作品の映画化は1993年の『スモーキング/ノースモーキング』、2006年の『六つの心』に次いで3作目となる。

物語は、イギリスのヨークシャー郊外が舞台。カリスマ的な魅力を持つ高校教師ジョルジュ・ライリーが末期がんを患って余命わずかだと知った3組の友人夫婦が、ジョルジュの最期の時間を有意義なものにしようと一致団結する様や、それぞれジョルジュと関係を持っていた妻たちのバトル、妻の秘密を知った夫たちが右往左往する姿などをユーモラスに描く。

3組の夫婦を演じるのは、公私にわたってレネのパートナーであったサビーヌ・アゼマをはじめ、イポリット・ジラル、カロリーヌ・シオル、ミシェル・ヴュイエルモーズ、アンドレ・デュソリエ、サンドリーヌ・キベルラン。フランスのバンドデシネ作家ブルッチが劇中画や書割を担当し、1961年以降全てのレネ作品に参加してきたジャック・ソルニエが美術を手掛けている。なお、同作は今年行われた『第64回ベルリン国際映画祭』で銀熊賞にあたるアルフレッド・バウアー賞と、国際批評家連盟賞を受賞している。

■アラン・レネ監督のコメント
映画のタイトルを『Life Of Riley』(お気楽な生活)から『愛して飲んで歌って』にしたのはリズムの問題だ。オリジナルの戯曲はピンク・フロイドの音楽にずっと浸かっている。それは1960年と70年という特別な時代を私に思いおこさせるが、私はそこから離れたかった。映画には違うリズムをつけ、コントラストをはっきりさせた演出にしたかった。アカデミックに見えたものが突然トーンを変えるような。
人物がブルッチの書割を出たり入ったりするように、観客も舞台と映画の間を行ったり来たりする。レイモン・クノーの作品のようなごちゃまぜのラタトゥイユみたいにして舞台と映画の壁を突き破らせ、最後には完全なる自由さを持たせたかった。それが、私が夢見たことだ。
私の映画にすべていえることだが、私は型に興味がある。型がなければ感情もない。 一緒にあるはずのないものをごちゃまぜにする。それこそが、私が“危険と混沌”の魅力と呼ぶものに他ならない。どうして映画を作るのか?という質問にはいつも同じ答えがある。それは作られる過程を見るためだ。