逮捕された夜空太陽こと橋本裕幸被告(Facebookより)

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 10月28日、1人のホストが恐喝の疑いで警視庁に逮捕された。橋本裕幸被告(25歳)。所属していた歌舞伎町ホストクラブでは「夜空太陽」という源氏名で勤務していた。

 警視庁によれば、橋本被告は東京都新宿区に住む20代の女性に物を投げつけるなど激しい暴行を日常的に繰り返した挙句、2014年8月、慰謝料名目の示談書への署名を強要。326万円を支払う約束をさせたとしている。

 このとき、橋本は女性に「お前の家族をみな殺す」と言って脅し、女性を徹底的に追い込んだ。さらに7月にも交際相手の女性に暴力をふるって腰椎骨折の重傷を負わせたとして逮捕、起訴されており、「DV常習者」とも言われている。

「根っからのオラオラ系が人気の秘密」

 橋本を知る現役ホストの一人は言う。

「もともと金沢のほうでホストをやっていた男で、歌舞伎町で働きはじめて、まだ1年もたってないのでは。でも、店ではすぐにナンバー1になり、ホストとしては優秀でした。典型的な?オラオラ系?ホストで、店では客の女性を怒鳴りつけたり、デブとかブスとか平気でいうんです。それが逆に人気の秘密だったようですね」

 ホストキャラの1つである?オラオラ系?だが、橋本の場合、根っからのオラオラ気質だったようだ。橋本を知る客引きの1人もこう話す。

「店がひけた後の早朝、よく区役所通りを女のコと一緒に歩いているのを見ました。肌を黒く焼き、周囲を威嚇するような鋭い目つき。いっつも女のコを怒鳴りつけていた。10代後半くらいの女のコの襟首をつかんで、引きずり回していたこともある。どっから見ても、凶暴な半グレにしか見えませんでしたね。本職のヤクザと喫茶店で深刻な顔で話していたこともありました」 

 橋本被告はたまたま逮捕され、世間の注目を集めることになったが、実はこうした事例は歌舞伎町では「日常茶飯事」であり、今回の事件は氷山の一角に過ぎない。

「半グレがオーナーを務める悪質なホストクラブも多いです。客の女性を脅したり、恐喝したりなんて、ほとんど接客の一種として常態化してますよ。なかには組に所属しているホストもいて、そういう店では、客の風俗嬢なんかを脅して、1本50万〜100万円のヘネシーを無理矢理入れさせ、支払いができないとなると借用書を書かせる。戸籍を取らせて実家をおさえ、ヤクザ経営の系列風俗店で働かせて、女のコが飛ぶまで搾り取るんです。支払いが滞ると、殴る蹴るは当たり前。実家の親や兄弟に恐喝をかけるなんてことも平気でやります。でも、ホストにハマるコたちって、暴力的な男に依存するタイプが多く、いくらひどい目にあっても、また店に通ってくるんですよ。ちなみに、ヘネシーの中身は2千円くらいの安酒です……」(同前)

ホスト組員が増殖するワケ

 悪辣なホスト店が増加しており、なかには現役組員のホストまでいる。それがこの街の現実らしい。

 歌舞伎町に拠点を構える、広域暴力団3次団体の幹部も言う。

「暴対法やら暴排条例やらで、本職のヤクザはどんどん追い込まれているだろ。ヤクザっていうだけで銀行口座は作れないわ、部屋を借りることもできない。シノギは減る一方だ。だから、俺たちは、ホストやキャッチなんかのカタギや半グレを抱き込んで稼ぐしかない。たとえば、ちょっとヤンチャなホストを準構成員にして、上納金を納めさせる。奴らは奴らで『ハクがつく』と喜んでいる。お互い様なんだよ」

 ホスト組員、キャッチ組員が跋扈する夜の歌舞伎町。忘年会シーズンも近いが、街でハメを外すのもほどほどにしたいものだ。

(取材・文/小林靖樹)