イメージを膨らませ豪州戦へ…長谷部らとの生存競争を強いられる今野泰幸

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 14日のホンジュラス戦(豊田)を6−0で圧勝したアギーレジャパン。彼らは15日のクールダウン後、18日のオーストラリア戦の地・大阪へバスで移動した。そして16日は大阪での初練習を実施した。

 トレーニング前には全員で記念撮影が行われたが、柴崎岳(鹿島アントラーズ)、武藤嘉紀(FC東京)、田口泰士(名古屋グランパス)ら若手が最前線にズラリと並び、彼らの次戦への高いモチベーションが感じられた。ホンジュラス戦では遠藤保仁(ガンバ大阪)、長谷部誠(フランクフルト)らのベテラン勢が頭抜けた存在感を示し、アギーレ体制初の内容ある勝利をもたらした。それに彼らも負けてはいられない。武藤も「若手が出ることによってチームを活性化させることはできる。自分ももっと主張したい」と危機感を口にしていたが、そういう気持ちが若い世代全体に広がってきたのはプラス要素だろう。

 練習は冒頭15分のみのメディア公開。右ひざを痛めている内田篤人(シャルケ)は最初から別メニュー調整となり、オーストラリア戦の出場は難しそうだ。他のメンバーはボール回しなどを実施していたが、今回の合宿でハビエル・アギーレ監督が時間をかけて4−3−3の戦術を徹底させられるのはこの日しかない。報道陣を締め出した後は、約束事の確認を繰り返し行ったとみられる。

 今野泰幸(ガンバ大阪)ら新戦術に不安と戸惑いをのぞかせていた選手たちも、トレーニングを通して戦い方の理解が進んだことだろう。

「アンカーと、チームでやっているダブルボランチの一番の違いは、動く範囲。前回の長谷部を見ていて、すごく勉強になりました。あんまり前に行かずにしっかりポジションを取っていたし、その中でカットからアシストもしている。素晴らしかったと思います。自分が入ったら? やっぱりボールは持ちたいですよね。そこが日本のよさだし。今、このチームになってロングボールにもチャレンジしているところだけど、足元で受けてスルーパスを狙える選手が前に沢山いるし、そういう人たちにいいパスを供給して、あとの崩しはお願いしますって感じです」と今野は今野なりにアンカーのイメージを膨らませていた。

 アギーレジャパン発足後、アンカー役をこなしてきたのは、森重真人(FC東京)、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、田口、そして長谷部。今野が次のオーストラリア戦で起用されれば5人目だ。実績ある選手がずらりと並ぶだけに、この位置を巡るサバイバルはかなりハイレベルになってくる。

「代表のポジション争いはこのポジションだけじゃないです。僕は監督の練習を経験して、いろんなものを吸収して、自分のサッカー選手としての質を上げていきたい。それを考えていくしかないですよね」と、彼はアギーレ監督の戦術をできる限り、ピッチ上で実践することを第一に考えてプレーするつもりだ。

 ガンバ大阪をともにけん引している遠藤がホンジュラス戦で圧倒的な存在感を示したことを、今野は「ヤットさんだからできる。あの人はすごいから」と絶賛していたが、自分もベテランとして大きなインパクトを残さないといけない。本人は「俺はできないかもしれない」と苦笑していたが、いざ試合になったら闘争心を前面に押し出して戦える。それが今野泰幸というファイターだ。出場濃厚な次戦は彼らしさを存分に発揮してもらいたい。

文=元川悦子