ビッグ・イノヴェイションに必要なものを「ハチドリ」に学ぶ

写真拡大

新刊『私たちはどのようにして今に至ったか』において、スティーヴン・バーリン・ジョンソンは現代社会を作り出したイノヴェイションのあまり知られていない側面を明らかにしている。

「ビッグ・イノヴェイションに必要なものを「ハチドリ」に学ぶ」の写真・リンク付きの記事はこちら

イノヴェイションとは、想像以上に歩みが遅く、何にもまして、予測不可能なものだ。

「解体すべき神話はたくさんあります」と、スティーヴン・バーリン・ジョンソンは説明する。彼の最新作、『わたしたちはどのようにして、いまに至ったか』(原題:How we got to now)は数週間前から本屋に並んでいて、もうすぐPBSとBBCで放映されるTVシリーズの原案にもなっている。

ジョンソンがイノヴェイションについて述べるとき、フォーカスするのは「ハチドリ効果」だ。

ハチドリは、昆虫と同じように空中で静止して飛ぶ方法を発達させた唯一の鳥だが、これは一見、不可能な適応だ。鳥類は同様の飛行を実現しているハチ類などのような柔軟な外骨格をもっていないからだ。しかし、だからこそ、完全に独自の生態学的地位を占めることが可能になった。

この意味では、テクノロジーもさほど大差はない。「例えば、WWW(ワールドワイドウェブ)の生みの親ともいわれるティム・バーナーズ=リーがのちにWWWとなる概念を生み出すきっかけとなったのは、知人との連絡を維持するためのシステムづくりでした」と、ジョンソンは説明する。


TAG

AppleWatchGoogleGlassInnovationWIRED IT

Twitterでおなじみのハッシュタグは、もともとユーザー発で使われるようになった仕組みだ。オープンネスがイノヴェイションを促進させる一例だ。image from Shutterstock

「最初のウェブ・サーヴァーが日の目を見るまでに、10年以上かかりました」。そのサーヴァーは、CERNの1台のPCだった。バーナーズ=リーは、その電源ケーブルに誰かがつまずいてネットワークすべてをオフラインにしてしまうのを避けるために、テープを貼っていた。「しかし、この緩慢なスピードこそが、功を奏したのです。なぜなら、80年代、アメリカは、そして間違いなく世界も、まだウェブに対して準備ができていなかったからです。パーソナル・コンピューターは十分に行き渡っておらず、電話回線による接続もまだあまり発達していませんでした」。

もう1つの解体すべきステレオタイプが、発明家のヴィジョンだ。1857年、フランス人エドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィルが発明した最初の音声録音装置には、例えば、再生機能がなかった。スコットがこれを加える能力がなかったからではなく、再生機能に関心がなかったからだ。幸運なことに、他の人たちがこのテクノロジーに気付き、発展させたおかげで、録音した音を聴く可能性は、巨大な市場に道を開いた。

「イノヴェイションを生み出すために最も重要な要素は、知識の開示と普及です」と、ジョンソンは強調する。彼は2005年刊の『悪いものはいいものだ』(原題:Everything Bad is Good for You)で、映画を超えうる「語りの手段」として、今日のTVシリーズの中心性を予言していた。

「アメリカの父」であり、避雷針の発明者、電気の偉大な研究者でもあったベンジャミン・フランクリンの多方面にわたる活躍や、アメリカの宇宙研究プログラムから生まれた製品の多産さも、その証明となっている。「NASAが素晴らしいのは、彼らの財源が公的資金であるために成果が独占されず、あらゆる人々が利用できることです」。

そしてこれは、企業にも当てはまる。成功が生まれるのは、企業の開発プロセスに、自らの製品のユーザーを引き込むべきだとわかっているときだ。Twitterの場合がそうで、彼らはハッシュタグを発明したわけではない。これは初期のオンライン・フォーラムの遺産で、ユーザーによって再利用されたものだ。しかし、Twitterはこれをすぐに自分のものにして、自身の製品のトレードマークの1つに変えた。


TAG

AppleWatchGoogleGlassInnovationWIRED IT
SLIDE SHOW FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN 1-screen-shot-2014-09-09-at-11-31-14-am-980x555

1/12公式サイトによれば、文字盤は200万通り以上からカスタマイズできる。リストバンドの種類もたくさんあり、なめし革やステンレススティールのほか、NASA無人火星探査機のパラシュートと同じ素材などもある。

1-1-screen-shot-2014-09-09-at-12-19-15-pm-980x650

2/12ステンレススティールのリストバンド。

1-2-img_0576

3/12

2-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-00-am-980x555

4/12アプリ選択画面でアプリを選ぶには、右側の「デジタルクラウン」を使う。

2-1-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-34-am-980x545

5/12デジタルクラウンを使うことで、画面を遮ることなく、ズームやスクロールをすばやく正確に行える。ボタンのように押せばホームスクリーンに戻る。

3-img_0716

6/12心拍数モニター

3-5-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-19-am-980x549

7/12

4-img_0672

8/12指で絵を描くと、相手の画面にリアルタイムで届く機能がある。そのほか、心拍数がわかる「どきどきする心臓」のイラストを送信する機能や、相手にさまざまなタップ(触感)を送る機能などもある。

5-img_0791

9/12メールを受信したら、自動的に反応を返すこともできる(いくつかのオプションがある)。音声メッセージは録音可能。動画絵文字も送信できる。

6-screen-shot-2014-09-09-at-12-27-52-pm-980x589

10/12蛍光色リストバンドの「Apple Watch Sport」

7-screen-shot-2014-09-09-at-12-20-26-pm-980x648

11/12レザーバンドのミッキー時計

8-screen-shot-2014-09-09-at-12-28-14-pm-980x564

12/12ゴールドのおしゃれな時計"

Prev Next PAUSE EXIT FULL SCREEN 1-screen-shot-2014-09-09-at-11-31-14-am-980x555

公式サイトによれば、文字盤は200万通り以上からカスタマイズできる。リストバンドの種類もたくさんあり、なめし革やステンレススティールのほか、NASA無人火星探査機のパラシュートと同じ素材などもある。

1-1-screen-shot-2014-09-09-at-12-19-15-pm-980x650

ステンレススティールのリストバンド。

1-2-img_0576

2-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-00-am-980x555

アプリ選択画面でアプリを選ぶには、右側の「デジタルクラウン」を使う。

2-1-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-34-am-980x545

デジタルクラウンを使うことで、画面を遮ることなく、ズームやスクロールをすばやく正確に行える。ボタンのように押せばホームスクリーンに戻る。

3-img_0716

心拍数モニター

3-5-screen-shot-2014-09-09-at-11-23-19-am-980x549

4-img_0672

指で絵を描くと、相手の画面にリアルタイムで届く機能がある。そのほか、心拍数がわかる「どきどきする心臓」のイラストを送信する機能や、相手にさまざまなタップ(触感)を送る機能などもある。

5-img_0791

メールを受信したら、自動的に反応を返すこともできる(いくつかのオプションがある)。音声メッセージは録音可能。動画絵文字も送信できる。

6-screen-shot-2014-09-09-at-12-27-52-pm-980x589

蛍光色リストバンドの「Apple Watch Sport」

7-screen-shot-2014-09-09-at-12-20-26-pm-980x648

レザーバンドのミッキー時計

8-screen-shot-2014-09-09-at-12-28-14-pm-980x564

ゴールドのおしゃれな時計"

「イノヴェイションのプロセスを本当に理解するためには、サーヴィスやシステムの発展を可能にするプラットフォームやテクノロジー・システムの観点で考える必要があります。この意味において、今日発展してきている『モノのインターネット』に注目すると、わたしたちは非常に興味深い時代に生きていますことがわかります」と、ジョンソンは強調する。

「わたしを大いに魅了するガジェットの1つが、Apple Watchです。Apple Watchは、わたしたちがモバイル・テクノロジーとどう関わるかをデザインし直して、より控え目に、しかし間違いなくより親密で情報の豊かなものにしてくれるはずだからです。そのインパクトは非常に大きいだろうと思います。一方、Google Glassに関しては、決断を下すには早いでしょう。顔にテレビカメラを装着するのは、人々の関わりのなかで、自然なことだとはいえないからです」

関連記事装着した男たちの写真に見る、Google Glassの欠点

「もう1つのフロンティアが、ビットコインです。通貨としてはまだ問題が多く、その変動性を考えると扱うにはリスクがありますが、ベースになっている構造は非常に興味深いものです。デジタルにおける産出物の所有権を疑いの余地なく定め、オンラインで行われる非貨幣取引に基準を与える可能性があります」。

TAG

AppleWatchGoogleGlassInnovationWIRED IT