ようこそ!フワフワ本の世界へ!(『LOVE LINE カップルたちの笑えるLINEトーク集』大洋図書)

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 今や現代人にとってなくてはならないコミュニケーションツールと化した感がある「LINE」。ふと見渡せば、どいつもこいつもスマホをシュシュッとフリックしながらLINEを活用している。密な連絡がとれる存在がいるというのはうらやましい限りである。世の中には企業からの広告と、コンビニでウェブマネーのプリペイドカードを買ってきてほしいというお願いでしかLINEの通知がない人間もいるというのに。

 さて、そんなLINEをフル活用している人種といえば、やはりカップルだろう。しかも聞くところによると、カップルたちのLINEでのやり取りが、エラいことになってきているというのだ。いったい、どう「エラいこと」になってきているのか。"百聞は一見に如かず"と言うし、少し覗いてみよう。わかりにくいかもしれないが、女性は「」、男性は『』で表記させていただく。

「あみはYouTubeみてるんだが暇すぎる」『そんな時は、空を見上げてごらん?』『雨だよ』「あめだ。」「あ、かぶった」

 さあ、雲行きが怪しくなってきたが、気にせずにもうひとつ覗いてみよう。

「はぁー」『どした?』「すき♡」『はぁー』「どした?」『大好き♡』「きもいよ」『だまれ』『きれそお』「そんなとこも好きでしょ♡」
 
たしかにエラいことになっている。エラいおもしろくない、という意味でだが。しかし、なぜここまでポンポンとカップルのLINEトークが引っ張りだせるか、これを読まれている方は訝しんでおられることだろう。じつは、LINE上で行われている恋人たちのやり取りを書籍化したものが先日発売されたのである。その名もステキ、『LOVE LINE』。

 本書には、LINE上で行われている恋人たちのやり取りが収録されている。なんともまあクソッタレなテーマで本を作られたものだが、もうひとつ大きな特徴があるのだ。それはなんと、登場するすべての女性たちがいわゆる"読モ"であるという点。非リア充からすればもはや別銀河の生物としか思えない存在である彼女たち。「kira☆kira」とか「ギャルソン・ガールズ」とか我らとは遠い世界で活躍する読モたちの甘みたっぷり高カロリーのラブトークが見られるのだ。

 そんな巷でキャーキャー言われているであろう人種たちのLINEトーク。前述したものを見ていただいたことでお分かりいただけただろうが、まあとんでもないレベルである。しかし、それで終わるほど、本書は甘くはない。ではさっそく、本書のなかから、特にレベルの高い、戦慄級のカップルトークをご紹介しよう。

 まずは、元egg読者モデルの"ゆん"さんと、その彼氏である"ゆーちん"さんのLINEトークである。前述と同じく、女性は「」、男性は『』で表記させていただく。

「ひげや眉毛はそってね」「ww」『それはヤバイな』「まにゃちゃんとねもちゃんに会うんだから 顔だけはちゃんとしてきて!」「ww」『はいよ(顔文字)』『今からでます!』「はーい(顔文字)」

 以上! え? それだけ? と多くの方が思われるだろう。同感である。しかし、これ以上のものは一切、びた一文出てこない。ちなみに本書はタテ200mm×ヨコ126mmというA5の変形サイズ。そのサイズで1ページを丸々使い、上記のやり取りが繰り広げられたLINE画面のキャプチャを掲載している。この冊子に関与したすべての人に言いたいことが山ほどあるものの、それを言いだせば2日程度使ってしまう。時間の無駄なので今回は見送ろう。まあ、このトークには"まにゃ"さん、"ねも(ねもやよ)"さんという先輩の元eggモデルがいるため、深夜4時ごろに彼氏を呼び出している、という背景がある。しかし、それを説明されたところで、それだけ? という意見は揺るがない。むしろ、だからどうした!? という意見が追加されるだけだ。

 さてお次は、「日本全国の真夏のガールズフェスティバル☆」らしい「CAMPUS SUMMIT」で2014年、特別賞に輝いた元egg読者モデルの"みさきゅん"さんと、彼氏の"よい"さんが交わしたLINEトークを抜粋しよう。

「ありがとう。 頼むよ。ふんどしなんかより うんこ漏らした時 誤摩化せる紙オムツのが 百倍いい女だよ」『そーだね。ごめんよ。 お前はやっぱりどこのドイツよりいー女だ。 またまた惚れさせられたな。ちぇっ、』「ふんどしにゆっといてよ うんこ受け止められる器もねえくせに、私の男にちょっかいだすんじゃねえ ってね」

 以上だ。前後の文脈の大切さを痛感させられるやり取りである。とにかく、このトークからわかることは、"みさきゅん"さんがふんどしを非常に憎んでおり、嫉妬の感情も抱いているということだろう。なにがどうなってそのような状況に陥ったかは定かではないが、おそらく"よい"さんがふんどしに求愛した、またはされたのだろう。そしてそれを思わず"みさきゅん"さんに伝えてしまったと考えられる。どうやらリア充は人間と布の間に横たわる、二次元と三次元なんか目じゃないほどの果てしなく大きな壁を突破できるらしい。人間がもつ無限の可能性を感じられるトークだ。ちなみに、まったく腑に落ちないのでGoogle先生に「みさきゅん ふんどし 憎悪」と調べてもらったが、先生でさえお手上げだったことを皆様に報告しておこう。

 次は、これまた元egg読者モデルの"きゃなみん"さん。自称ヲタギャル、2次元女子らしく、大きい夢を叶えることが夢なお方である。ぜひともがんばってほしいものだ。さて、そんな彼女と、キープ的な感じという、理解することが困難なお付き合いを経たうえで、見事カップルとなった"けんたん"さんとのやり取りをご紹介しよう。

『愛してるよー♡』「すき。ダイスキ。あいしてる♡」『ちゃんと目を見て言ってね♡』「それゎもお恥ずかしいから勘弁してwww」『俺のとこ嫌いなの_| ̄|○』「嫌いぢゃないよorz」『知ってる!』「ダイスキだよ♡けんちゃんだけよ!♡」

 以上、原文ママである。独特な日本語を駆使しているという点は無視して、あえてひとつだけ言わせてもらえば......LINEトークのやり取りで目は見れないよ、ということである。なんだか非常に野暮なツッコミをしているが、"きゃなみん"さんと"けんたん"さんのやり取りを見ている自分、それを客観視し、俄然死にたくなってしまったゆえの自暴自棄的なものだと思っていただければ、ご理解いただけるのではないだろうか。

 最後にご紹介するのは、元egg読者モデルであり、ギャル界の一大イベント(らしい)「D-1 DREAM PROJECT」において2013年に「関東女子高校生ミスコン」グランプリに輝いた、元関東一可愛い女子高生の"みんみ"さん。その彼氏である"たー"さんとの注目度が高いトークである。

「さっきさー 雷すごくなかった?(顔文字)」『雷なんてなってないけど』「え、こっちやばかったんだよ(顔文字)」「めっちゃ光ったり(顔文字)」『マジか笑』「うん(顔文字)」「だから琢磨に雷落ちて大きくならないかなぁーって思ってた笑」

 HAHAHAナイスジョーク! この言葉に対して、身長166cmの"たー"さんがどのように答えたかは定かではない。しかし、もし自分がこのようなことを言われたら、人に雷が落ちたら大惨事だよね、間接的に死ねってこと? と思ってしまうだろう。心の広い(たぶん)"たー"さんは最高の彼氏である。

 本書は、恋人とのやり取りは本にするものじゃない、ということを痛感させてくれる貴重な一冊であると言わざるを得ない。読書中、読後は、まったく興味がない人の結婚式のアルバムを見せられたような、なんともいえない気持ちに支配されていたほどだ。もしあなたの悪魔がささやき、読んでみたいと思われたなら、一読してみるといい。高確率で後悔するだろうが、話のネタには使えるので大損はこかないだろう。
(オンダヒロ)