ヘイトスピーチを『法律』で規制することに対してどう思う?
フジテレビ出身のフリーアナウンサー長谷川豊氏がおしトピで気になるニュースを質問!集まった意見をもとにそのニュースの本質を分析します。
第7回のお題は「ヘイトスピーチを「法律」で規制することに対してどう思う?」です。長谷川豊氏はこのニュースをどう見ているのでしょうか。

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今回も皆さんの回答、いつも通り興味深く読ませていただきました。本当にありがとうございました!
さて、このヘイトスピーチに関する僕の回答ですが…これはかなりしっかりと

法律で規制すべきである

と考えています。これは僕がアメリカのニューヨークに滞在する2年半の前と後では、完全に考え方が変わったので、逆に言うと、アメリカに行く前は僕も
「表現の自由を『法律で奪う』のってどうなのよ?」
って考えていました。それがアメリカで180度変わったんですけれど、それは日本の外に出て、「外から見た日本」というものに少しでも触れたからではないかと思います。

日本の中で住んでいる分には日本って本当に住み心地の良い国ですし、治安も良ければ清潔だし、特に東京なんて、大都市としては世界一の都市だと確信を持って言えます。それくらい日本って素晴らしい国です。
でも、いくつかの残念なポイントもあって、その一つが「島国で独自文化すぎるので、世界の常識からおいていかれている」って所ではないかと思っています。
昔、「ガラパゴス」って言葉がマスコミを賑わせたことがあるんですけど、日本って本当にあの「ガラパゴス諸島」のように独自すぎる文化をたどっていて、しかも島国なので、それでも生きていけるんですよね。

男性の女性に対する接し方なんてその典型で。
欧米諸国の常識は「レディーファースト」です。僕もニューヨークで何度も恥ずかしい思いをしましたけれど、日本人の男性って、見事なほど、女性が歩いてきていてもドアを開けて待つことをしないんですよね。世界ではこれはあまりにも当たり前の行動で、最低レベルのマナーと言えます。
アメリカの女性などはドアは開けて待っててくれるものと思っていますので、旅行に来た日本人が後ろからアメリカ人女性が来ているにもかかわらず、とっととドアを閉めてしまう時に、思いっきり怪訝な顔をしていたりするんですけど、そんな感じで、日本人って、いわゆる「世界基準」で考えると、ちょっと珍しかったり、ヒンシュクだったりすることってかなりあります。(橋下市長が以前、アメリカの軍人さんに風俗を進めて大ひんしゅくを買ったことがありましたけど、あれもあり得ない行為です。本当に最低の発言なんです。欧米諸国では)

で、そんな視点から見てみますと、今、世界が本当に真剣に取り組んでいることの一つとして「差別」の問題があるんです。逆に言うと、「差別意識」がまだ残っている、もしくは、残っていたとしても、その「差別意識」に対して国としてちゃんと取り組んでいない場合、世界から非常にヒンシュクな感情で見られてしまうんです。と、言うか、先進諸国として、認められなかったりしてしまうんです。

これはそもそもアメリカが超の付く「大差別国家だった」ことから来ているんですけど、アメリカって、黒人差別がかなり激しかった国なんです。それこそ、数十年前まで、僕らの父親の世代くらいの時って、本気で「白人以外は人間じゃあ無い」って信じ込んでるアメリカ人(白人)がけっこういたんです。事実です。
しかし、白人による黒人差別はそれこそ、「白人のある集団」によって、どんどんイメージが悪くなるんです。

KKK団。

皆さんも聞いたことぐらいはあるでしょうが、KKKって、Ku Klux Klanの略なんですけど、クー・クラックス・クランって言って、要は白人が一番偉いんだぜー!って言うアホの集団なんですが、これがまたアホがアホを呼びまして、1920年代とかは最大で500万人も構成員がいた時代とかもあったりするんです。
でも、やりすぎたんですよね。過激なこととかしまくって。
で、結局、全然支持されなくなって、壊滅していくんですけど、今のヘイトスピーチの文言とか、
朝鮮人は半島に帰れ!
朝鮮人なんて死んでしまえ!
みたいなのって、当時、あのKKK団の言ってる事と全く一緒だったりするんです。
黒人なんて死んでしまえ!みたいな。

ほら?「朝鮮人」で一くくりにしてる段階で、くくり方が「雑」でしょ?女性から一度浮気されただけの男が
「女なんてみんな浮気するんだよ!」
っつってるレベルな訳です。いや、人によるからってね。その程度が分からない連中って、結局周囲に理解されないんです。

こんな連中はですね、単に表現の自由だし、どうせ自滅していくのでほっときゃいい程度の連中なんですけど、それは「日本に迷惑をかけてなきゃあいい」って話です。
言うまでもなく、日本国内だけで生きてるなら問題ないですけど、日本って、所詮は「世界の中の一員」でしかなくて、貿易など、諸外国とのお付き合いの中で、利益も生んでます、GDPも押し上げてます…ってんなら、一応は「世界の目」ってのも無視しちゃあいけない問題なんです。

で、このヘイトスピーチってのが、KKK団の文言にあまりに似すぎているので…アメリカとかではこのヘイトスピーチがあまり他人事には思えないんですよね。あの黒い歴史を思い出しちゃう人が多かったりするんです。で、

こんな問題にも対応できない日本って、なんて時代遅れの国なんだ

ってはっきり言われちゃうんですよね。本来、自分の価値観でしかないので、バカでもアホでも、好きに言ってればいいんですが、世界中から「日本がバカだ」という目で見られるのであれば、それは「日本として」規制すべき問題のはずです。表現の自由の域を超えて、人を不快にさせるレベルの暴言の連発でもありますしね。

公共の場で、人を不快にさせるのは「迷惑防止条例違反」行為となります。そもそも、人それぞれの価値観があるって言っても、いきなり街中でヌードになっちゃ逮捕されるでしょ?それは、いきなり見たくもないのにヌードを見せられたら不快に思う人がいるからです。「公共の場」での行動は、みんなで守り合うルールが存在するはずです。

個人的なネットやブログでやってればいい事です。誰も見なきゃいいんだから。でも、ヘイトスピーチは公共の道路などでやっています。これは守られるべきルールがあるべきです。

木村太郎さんはヘイトスピーチを「表現の自由」と言いますが、その御意見に対しては、僕は「間違ってます」と断言します。国際的にも信頼を落とし、国益を損ない、しかも、公共の場所で人々を不快な気分にさせる可能性のある行為である以上、ヘイトスピーチは厳しく取り締まるべきです。思想は自由なので、ネットや個人ブログ上で展開すればいい。それだけの話のはずなのです。

長谷川豊(Hasegawa Yutaka)