1月のアジアカップ(日本の初戦は1月12日のパレスチナ戦)に向けて、この2連戦が最後の実戦の場。アギーレと選手たちには結果も内容も求めたい。 (C) SOCCER DIGEST

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 2014年最後のシリーズに、ハビエル・アギーレ監督は、長谷部誠、遠藤保仁、今野泰幸、内田篤人といったベテランを呼び戻した。無理もない。1勝1分け2敗と結果が出ないまま、アジアカップが迫ってきたからだ。
 
 つまり呼び戻されたベテランは、苦境を救うために呼ばれた助っ人といってもいい。この2試合の日本代表は「ザックジャパン・アゲイン」、経験豊富で勝手知ったる顔ぶれとなりそうだ。
 
 もっともベテランを呼び戻しても、結果や内容が上向く保証はない。アギーレ監督の志向するスタイルが前体制とは大きく異なっているからだ。
 
 システムはザックが4-2-3-1でアギーレは4-3-3。
 ボールの動きはザックが横でアギーレは縦。
 選手の分布はザックが集中ならアギーレが拡散。集中は数的優位、拡散は1対1と言い換えてもいい。
 つまり、共通点よりも相違点が多いのだ。
 短い練習期間で、このスタイルを会得するのは容易ではない。だが、それをクリアしてこそ「さすがは代表選手」となるだろう。
 
 アジアカップの前哨戦にも位置づけられるオーストラリア戦は、アギーレの手腕が試されることになりそうだ。
 大きくボールを動かし、高さを前面に押し出してくるオーストラリアとの戦いでは、多くのポジションで1対1が生まれるはずだ。選手一人ひとりの解決能力はもちろん、どこのだれをどう抑えるか、監督の対応力も問われることになる。
 
 考えてみれば過去4試合の采配で的中したのは、ベネズエラ戦で途中投入した武藤嘉紀がゴールを決めたことくらい。試合に勝つのはもちろん、「監督がチームを勝たせたね」という試合をして求心力を高めたいところだ。
 
 日本人にとって4-3-3は難しく、取り組む価値はあると思う。だが、代表は実験の場ではない。それをやることの意義を、そろそろ結果と内容で示さなければならない。
 
 この2試合で結果が出ないようだと、解任論が間違いなく浮上する。抜擢した若手では武藤と柴崎岳しか活躍せず、呼び戻したベテランも機能しなければ、日本代表は確かな形を持たないままアジアカップに向かうことになる。
 
文:熊崎敬