【グレン・グールド 「バッハ・ゴールドベルク変奏曲」】 世界のバッハ観を根底から覆した“愛すべき頑固者”

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 世の中には「頑固者」と呼ばれる人々がいます。

「頑固」を大辞林で引くと「他からの話などを聞き分けず、かたくなに自分の考えや態度などを守ること」と定義してあります。

 大体において、「頑固者」とは、否定的な意味合いが強いのですが、場合によっては、非常に肯定的な意味で使うことがあります。そこには2つの要素が挙げられます。

 第1に、世の常識に囚われることなく、世間の評判を無視して、兎に角、我が道を行く、という姿勢。

 第2に、その我が道を行く姿勢で、それまで誰も達成できなかった大きな業績を上げることです。

 公共政策の世界で言えば、日銀の黒田総裁が肯定的な頑固者の範疇に入るのではないでしょうか。2%のインフレを実現するために、「やれることは何でもやる」という姿勢を貫き、昨年は“異次元の金融緩和策”を打ち出し、アベノミクスが機能することを証明しました。つい最近も、世間の予測を越えて追加金融緩和を実施し、世界のマーケットに影響を与えました。

 勿論、音楽の世界にも、愛すべき頑固者が何人もいます。いや、歴史に名を刻む偉大な作曲家や演奏家の相当部分は頑固者なのかもしれません。何故ならば、真に美しい響きを探求する時には、常識は邪魔でしかありません。

 と、いうわけで、今週の音盤は、グレン・グールド「バッハ・ゴールドベルク変奏曲」です(写真)。

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