――アーティストは基本、自分の作品を作って、ライブをするのが一連の活動で、環境活動を行うことを義務づけられている訳ではない中で、自発的に行動するのは何故ですか?

倉木:小学校の時から普通に授業の一環として、街を綺麗にするボランティア活動があったり、リサイクルショップに持って行ったり、日常生活の中で自然な形でしてたんです。人の笑顔に繋がると嬉しいですし、誰かの役に立つことで逆に自分も自信を持てたり。

歌手になって、自分のフィールドの中でエシカルな活動をすることで、凄く影響を与えることも出来るし、皆にも興味を持ってもらえるし、環境が整ってると思ったんですよね。それを使わない手はないと思っていて、スタッフの皆さんも賛同してくれて、一緒に活動していこうって協力していただいて。私、社内ソーシャル部の部長なんですよ!(笑)

――LINEは震災がきっかけで生まれたコミュニケーションアプリですが、震災はアーティストにとっても、音楽の可能性について考えさせられる機会だったと思います。倉木さんは如何でしたか。

倉木:震災が起こってから、募金した復興に向けた支援金が、果たしてちゃんと現地に届いてるのか?とか、不安になったりしましたね。音楽は微力かもしれないけど、心のケアという部分で無力ではないと感じるので、少しでも自分に出来ることをしてみようと思いました。

まず現地に行ったら、みんな元気で、笑顔で、励ましに行ったのに、逆に「頑張ってください」と声を掛けられたり、パワーを貰って帰ってきたという(笑)。今年も宮城県の女川に行って来たんですけど、仮設住宅がまだ出来てなかったり、少しずつある程度は良くなっているんですけど、まだまだなんですよね。

人って忘れやすいから、忘れずにその気持ちや想いを繋いでいくことに私は使命感を感じています。それは音楽をやっているからではなく、やってなかったとしても、同じ人として感じることだと思うんです。仙台には友達やファンの方もいますし、自分のことのように支えてあげたい気持ちになるんですよね。