『ヒップな生活革命 (ideaink 〈アイデアインク〉)』佐久間 裕美子 朝日出版社

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 実は、日本は世界の中でも「コーヒー大量消費国」であることをご存知でしょうか?

 米国、ブラジル、ドイツに次いで4番目にコーヒー消費量が多い日本。日本生まれの缶コーヒーから、日本国中にある喫茶店やカフェ、さらに最近ではどこのコンビニでも展開している100円コーヒー。日本ではなんと、年間に約480億杯ものコーヒーが飲まれているのです。

 そしてそんなコーヒー大国・日本でも、最近、「サード・ウェーブ・コーヒー」という言葉をよく耳にします。

 これは、アメリカ・ポートランド発祥のアルティザン(職人)系のコーヒー文化のこと......と言ってもちょっとピンとこない方がほとんどではないでしょうか。

 書籍『ヒップな生活革命』の著者・佐久間裕美子さんは、サード・ウェーブの定義について、同書にて「諸説あるようだ」としながらも、「クオリティの高い豆を、世界各地のコーヒー農園から中間業者を通さずに直接購入し、ブレンドではなく1種類の豆を軽めにローストしたり、カフェラテやカプチーノといったコーヒー飲料の作り方にとことんこだわったり、手淹れやフレンチプレスといった淹れ方のバリエーションを提案する、通のコーヒー好きが通うようなインディペンデント系のコーヒーショップをめぐる文化」と解説しています。

 味やクオリティの向上は当然のこと、「フェアトレード」も意識している点が特徴です。お店がアフリカや中南米などのコーヒー農園と積極的に関わることで、彼らの労働環境の改善や賃金の向上に貢献するばかりでなく、スタッフや消費者の意識を変えるのに一役買っているのです。

 なんとも素晴らしい"コーヒー第3の波"。ところで、ファースト・ウェーブとセカンド・ウェーブがいつだったのでしょうか?

 ファースト・ウェーブが起きたのは19世紀後半。コーヒー豆が大量に生産されるようになり、一般家庭でも大量にコーヒーを飲むことができた時期になります。当時は浅煎りのアメリカンコーヒーがメジャーでした。

 その反発からか、深入りのブームが到来します。それが、1960〜90年代に起こったセカンド・ウェーブとなります。1971年に生まれたスターバックスが代表するシアトル系のコーヒーチェーンが次々と生まれました。エスプレッソにミルクを混ぜた、カフェラテを"武器"に、人気を博したのはご存知の通りです。

 そして、今、やってきたのが、サード・ウェーブ。一杯一杯、時間をかけて丁寧に至極のコーヒーを淹れるこのスタイルは、まさに日本の老舗喫茶店と似ています。実際、米国でサード・ウェーブを牽引しているカフェ「ブルーボトルコーヒー」の創業者ジェームス・フリーマンは、雑誌のインタビューで日本の喫茶店文化に強い影響を受けていることを告白しています。そういった意味では、「日本的なこだわり」を外国人が新たに解釈した結果、生まれたコーヒー文化が、サード・ウェーブとも言えます。

 コーヒーの話しをしていると、一杯飲みたくなるもの。丁寧に淹れてくれる昔ながらの喫茶店に足を運んでみるのも良いかもしれませんね。