新体制での初招集であり、今回のチームでは最も注目を集めている内田。ドイツで高い評価を受けているプレーは、アギーレ監督の下でどう活かされるか。 (C) Getty Images

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 11月14日にホンジュラス、同18日にオーストラリアとのテストマッチに臨む日本代表のメンバー23人が5日に発表された。内田、遠藤、今野がブラジル・ワールドカップ以来の招集となったほか、GK東口、FW豊田、乾がアギーレ体制で初めて招集された。さらに新たなメンバーを加えた日本代表はどんなサッカーを見せるだろうか。選出されたメンバーのうち、ここでは欧州でプレーする9人の状態をチェックする。
 
【日本代表photo】ホンジュラス、豪州戦に臨むメンバー23人
 
GK
川島 永嗣(スタンダール・リエージュ)

今季成績:10試合・21失点
 
 パンチングのミスやCKでの不用意な飛び出しで失点を招くなど、開幕直後から不安定な出来に終始。決して難易度が高くなかったクロスの処理を誤り、先制点を献上したベルギー・リーグ11節のズルテ・ヴァレヘム戦を最後に、バックアッパーに甘んじている。
 
 この正守護神の交代を機に、チームは4試合連続完封中で、川島がスタメンに返り咲くのは容易ではない状況だ。
 
※11節ズルテ・ヴァレヘム戦は試合中にリエージュ・サポーターがピッチに物を投げ入れたために途中打ち切りとなり、没収試合の裁定が下っている。
 
DF
吉田 麻也(サウサンプトン)

今季成績:4試合・0得点
 
 10月の招集時より、さらに厳しい状況に陥っている。9月に足首を負傷し、戦列復帰したのが10月18日のサンダーランド戦。以来、公式戦4試合で出番はない。
 
 10月29日に行なわれたリーグカップのストーク戦でも、同じサブ組のフロラン・ガルドスにチャンスが与えられた一方で、吉田には最後まで声がかからず。試合後は、「残念。チャンスはもらえると思っていた」と声を振りしぼるのが精一杯だった……。
 
 現在のコンディション自体は「悪くない」と語るが、試合勘不足は否めず、精神面でも万全の状態とは言い難い。
 
DF
内田 篤人(シャルケ)

今季成績:6試合・0得点
 
10月30日にシャルケと3年間の契約延長にサイン(18年6月まで)し、心機一転で臨んだブンデスリーガ10節のアウクスブルク戦では圧巻の活躍を披露している。
 
 自陣でのインターセプトから約60メートルを走破するドリブルを見せ、最後は右足での秀逸なクロスで決勝点をアシストしただけでなく、チームの窮地を救う好守を連発し、チーム内外で称賛を集めた。

 右膝の怪我で出遅れたものの、5節の復帰戦以降はリーグ有数の右SBとしての風格を漂わせている。
 
DF
酒井 高徳(シュツットガルト)

今季成績:8試合・0得点
 
 シーズン序盤戦は、アギーレジャパンでの起用時とは異なる左SBとして躍動的なプレーを披露。敵陣の最深部まで攻め上がる攻撃参加時のアグレッシブさがとりわけ際立っていた。
 
 直近3試合のうち2試合でスタメン落ちと、ここにきてレギュラーの座が揺らいでいるのは、シュツットガルトのディフェンスが完全に崩壊し、アルミン・フェー監督がより守備時に真価を発揮するSBを重用しているからだ。
MF
長谷部 誠(フランクフルト)

今季成績:10試合・0得点
 
 加入1年目にしてフランクフルトで早々に地歩を固め、公式戦の全12試合に先発出場。4-2-3-1システムにおける2ボランチの一角を担い、シンプルなパスワークを武器に攻撃のリズムを刻んでいる。
 
 攻守の両局面におけるツボを押さえたポジショニングや、ファウルを厭わないハードな寄せも特筆すべきものだ。
 
 チームは4連敗中と調子を落としているものの、長谷部のパフォーマンス自体は批判されるものではない。
 
MF
香川 真司(ドルトムント)

今季成績:8試合・1得点
 
 よもやの降格圏に沈むドルトムント同様、周囲を満足させる結果を残せているわけではない。
 
 それでも直近のブンデスリーガ10節のバイエルン戦では、クオリティーの高さを改めて証明。ドイツ王者が誇る猛烈なプレッシングに晒されても、十八番の鋭いターンや細かいボールタッチを活かしながら、相手守備陣の脅威となり続けた。

 時間もスペースも限られたなかで違いを作り出せる、香川らしさは健在だ。
 
FW
本田圭祐(ミラン)

今季成績:10試合・6得点
 
 前回の国際Aマッチウィークから帰国後、セリエAの4試合に先発出場し、開幕からの連続スタメン記録は10まで延びた。
 
 7節のヴェローナ戦では、カウンターから裏のスペースに走り込む動きで2得点、この時点で得点ランキングの首位タイに並んだ。オフ・ザ・ボールでスペースを狙う動きは、昨季まではあまり見られなかったもので、大きな進歩を見せている。
 
 しかしその後の3試合では、相手に研究されてきたこともあり、ビルドアップから効果的にチャンスを作り出せないというチームの弱点が露呈。2分1敗と減速し、本田もそのなかで違いを作り出せないでいる。
 
FW
岡崎 慎司(マインツ)

今季成績:9試合・6得点
 
 直近4試合で1ゴールと、数字のうえでは得点を量産していた開幕直後の勢いを失いつつあるが、全体的なパフォーマンスの質は下がっていない。

 持ち前のハードワークやシャープな動き出しに翳りはなく、マインツ不動のCFとして君臨。ブンデスリーガ10節のブレーメン戦では、エリア内で複数の守備者に前方を塞がれながらも、巧みにシュート態勢を整え、得点ランキングのトップタイに躍り出る今季6点目を奪ってみせた。
 
FW
乾 貴士(フランクフルト)

今季成績:9試合・0得点
 
 トーマス・シャーフ新監督の信頼を掴み、自身が希望していたトップ下を中心に、左右両サイドでもコンスタントな出場機会を得ている。
 
 冴えているのは、得意のドリブルを主体としたチャンスメークで、味方のシュートに結び付くキーパスも少なくない。
 
 その一方で、物足りなさが否めないのはフィニッシュの精度だ。シュート意識は低くないものの、枠を捉える確率が低い。13年3月以降、ブンデスリーガではゴールから遠ざかっている。

文:遠藤 孝輔・松澤 浩三・片野 道郎