最近では、佐野氏と同じぐらいの年齢で亡くなっている有名人が多い。安西マリアさん(急性心筋梗塞・享年60)や蟹江敬三さん(胃がん・享年69)、大滝詠一さん(解離性動脈瘤・享年65)などがいる。もちろん、問題は塩分だけではない。しかし、食生活のあり方、運動不足、ストレス、飲酒、喫煙、睡眠(質の悪い)など、いずれも生活習慣病に結びつく生活の質に問題があったのでないか、と指摘する声が多いのも確かだ。

 とくにこの中で問題になるのが、食生活のバランスの悪さと運動不足。前出の内浦医博は言う。
 「やはり食生活での“食べ過ぎ”は『過ぎたるは及ばざるがごとし』ではありませんが、便利な時代だからこその悩みかも知れません。簡単に食べ物が手に入り、交通機関の発達により日常生活の中で動くことが減っている。運動不足も重なって、太るから動かないのか、動かないから太るのか…そんなスパイラルから抜け出せないという悲壮な声も聞きます。強い意志で生活改善に取り組まないと、間違いなく糖尿病などを発症する生活習慣病に陥ります」

 厚労省の「国民健康・栄養調査」でも、約900万人が糖尿病とされる。予備軍を含めると2200万人以上、成人の5人に1人が糖尿病か、その予備軍というわけだ。
 大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子氏はこう指摘する。
 「食事を摂る場合、カロリーが満たされればいいと思っている人はあまりいないでしょうが、栄養は多いほどいいと思い込んでいる人は意外に多い。ご飯は少なく、おかずは沢山がいい。つまり栄養が一番! と信じ込んでいる人が多いのです。しかし、エネルギーになるもの、体の体調を整えるもの(体の毒素を排泄するもの)、細胞を元気にするもの、などを考えてバランスよく摂るのがいいのですが、どうしても偏りがちになります。私はどのような場合でも、野菜をしっかりと摂ることをお薦めしたい。カロリーを摂れば摂るほど、代謝するために多くのインスリンが必要になる。このことで、食べ過ぎと糖尿病の因果関係がはっきりすると思います」

 最新の研究では、例えば糖尿病と診断された時点で「血液中の糖分をエネルギーに転換したり、筋肉に溜め込むのに必要なホルモンのインスリンを作り出す膵臓のβ細胞が、50%破壊されている」とされている。
 このβ細胞は一度壊れると元に戻らない。早い人では、この時はすでに心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の症状が起きている可能性があるという。
 もし糖尿病と診断されたら、すぐに食事や運動、薬などのあらゆる手段で治療を受ける必要がある。
 いま一度、自分の体と向き合ってはどうだろうか。