世界を代表する電子音楽の作曲家、冨田勲が、「Redbull Music Academy Tokyo(RBMA Tokyo)」で、海外の若手アーティストたちに向けてレクチャーを行った。電子音楽の歴史と冨田の哲学が詰まった90分が、YouTubeで公開されている。

「「"デッサン"の力がないと新しい音は生み出せない」冨田勲、RBMA特別レクチャー(動画) #RBMATOKYO」の写真・リンク付きの記事はこちら

電子音楽のイノヴェイターとして、海外の音楽愛好家たちからも熱烈なリスペクトを受ける冨田勲。「Redbull Music Academy Tokyo (RBMA Tokyo)」で、世界中から集まった若手アーティストたちを前に、90分間の特別レクチャーを行った。

1971年に冨田は、莫大な資金を投入してアメリカからMOOGシンセサイザー(MOOG -P)を個人輸入した。マニュアルもないし、作曲の方法を教えてくれる指導者もいない中、彼はその”未来の楽器”から独自の音をつくり出していく。

まず彼は、MOOGシンセサイザーを使って、わざわざ実在する口笛の音や鐘の音を一からつくり始めたのだと語る。

「世の中に存在する音を真似するくらいだったら、その音を録音した方が早い。ただ、意外と前衛的な絵を描く人のなかにデッサンができない人がいると絵を描く友だちから聞いたのです。例えばピカソは写実的な絵を描いても素晴らしいですよね。自分の頭の中にあるものがデッサンできるから、いままで見たことのないものを描くことができる。(音楽も同じで)『自分の中から出てくる音ですら、デッサンができない人たちがいるのではないか』という疑問を抱き、まずは実在する音の真似から始めてみたのです」

MOOGシンセサイザーを巧みに操る作曲家として世界から注目され、いまなお“音響”に対する飽くなき探求を続ける彼が、海外の若手アーティストたちに向けて語った貴重なレクチャー。音楽制作に携わる人にとっては、特に必見の内容です。

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