和楽器がヒップホップを新次元へと導く:「DJ Krush x 和太鼓」RBMA Tokyoライヴリポート第3弾 #RBMATOKYO

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10月12日から約1カ月にわたって開催している「Red Bull Music Academy Tokyo 2014」。上野の法隆寺宝物館で開催された和楽器とターンテーブルを融合したライヴを、音楽ライター、南波一海がリポート。

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2/8和太鼓とターンテーブルの融合が実現!

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3/8メインアクト「DJ Krush」のパフォーマンスが始まり、会場の熱気は最高潮に!

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4/8DJ Krush

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5/8Parachute Pulse

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6/8突然の雨にも負けず、観客たちは楽しんでいた

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7/8Parachute Pulse

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法隆寺宝物館の幻想的な雰囲気の中でライヴは始まった。

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和太鼓とターンテーブルの融合が実現!

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メインアクト「DJ Krush」のパフォーマンスが始まり、会場の熱気は最高潮に!

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DJ Krush

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Parachute Pulse

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突然の雨にも負けず、観客たちは楽しんでいた

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Parachute Pulse

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ぽつ、ぽつと小雨が降る上野。

国立博物館正門から西へ歩くと、大名屋敷の黒門が現れる。「The Garden Beyond」の会場となる法隆寺宝物館への入口となるその門は、およそ上野とは思えないほど雅やかな存在感を放っていた。

門を通り抜けると、特設ステージがすぐに目に入る。大きな柳の木の下に、レッドブルのロゴをあしらった金屏風、和太鼓をはじめとする和楽器、ラップトップにターンテーブル…つまり、和的な要素をデフォルメしてハイブリッドにした光景が広がっており、身も蓋もない言い方をすれば外国人が喜びそうなシチュエーションだったと思う(実際に外国人のファンも非常に多かった)。しかし、そのスペクタクルなインパクトを軽々と越えていったのが、後述するDJ Krush×和匠のパフォーマンスだった。

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オープニング・アクトを務めたのは女性アーティストのパラシュート・パルス。ドリーミーなダウンテンポからハウシーなビートへと展開し、秋の夜の野外ライヴ会場を暖めた…と言いたいところだが、彼女のパフォーマンス終盤から雨足が強まり、客席には簡易ポンチョが配られ、ステージには急遽テントが設営される運びとなった。

思わぬインターヴァルを挟むかたちになったが、いよいよDJ Krushが登場すると会場の期待は一気に高まり、大きな拍手が。ライヴ序盤は、虫の音、鈴の音色などをミックス、スクラッチしながら、場の環境に溶け込むようなサウンドをつくり出す。やがて笙と篳篥、尺八、太鼓及び打楽器が加わり大きなサウンドスケープを形成し、ようやくビートが入り込んでくる。DJ Krushはときに手押しでビートを加え、崩し、コンダクターのように楽器演奏者をコンタクトと取りながらブレイクをつくり、再びビートを差し込んでグルーヴを生み出していく。

DJ Krushは、「Only The Strong Survive」(96年)で山本邦山の尺八をサンプリングして以降、数々の作品で和楽器の音色を積極的に取り入れてきた。『寂-jaku-』(04年)では生の和楽器奏者と真正面から向き合ったコラボを果たしている。なので、今回のパフォーマンスが安易にヒップホップのビートに和楽器が足されたものにはならなかったのは当然の帰結だったように思う。互いが密接に結びつき、それぞれが楽曲をリードする場面もたびたびあった。

とりわけ素晴らしかったのが、鼓童の小田洋介による打楽器演奏。グルーヴをキープする力はもちろんのことインプロヴィゼーションの勘所が鋭く、尺八や笙の持続音、いわばパッドの音が鳴り続けるなかで、縦横無尽なリズムをつくり出していた。

演奏されているのはまごうことなきグルーヴ・ミュージックだが、同時に張りつめるような緊張感もある。そんななか、最後に披露された楽曲は圧巻だった。坂田明の歌声とサックスをフィーチャーした「Slit Of Cloud」をさらに重層的に、さらにディープにしたメディテーティヴなヴォーカルもの。そこにはもはやヒップホップのビートすらほとんどなかったが、まぎれもなくDJ Krushの音楽そのものが鳴っていた。やがて虫の音色が聞こえ始め、冒頭への展開と繋がるストーリー展開も見事。そのライヴの模様はこちらで聴くことができる。

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DJ Krush

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