『オリーブ少女ライフ』山崎まどか 河出書房新社

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 1982年から2003年(休刊期間を含む)まで刊行され、唯一無二の存在として伝説の雑誌と化している『オリーブ』。かつては「オリーブ少女」という言葉もありましたが、30代から40代の女性の中には、オリーブの世界観に魅せられた方々も多かったのではないでしょうか。

 本書『オリーブ少女ライフ』の著者・山崎まどかさんも、中等部から高等部卒業までの1984年から89年にかけての5年間、「3日と18日、『オリーブ』の発売日になると私は朝一番で自宅の最寄り駅、国立の中央線ホームのキオスクで『オリーブ』を買って、それをただ絵本のように眺めてため息をついていた」(本書より)というほど、その熱心な読者だったといいます。

『オリーブ』が提示するスタイルやセンス。例えば同誌で紹介されている憧れの店を訪ね、そうした店のある青山をはじめとする少し大人びた街を歩く時に感じる、緊張とときめきの入り混じった感覚。『オリーブ』は10代の少女たちの多感な感情と結びつき、それぞれのなかで思い入れの強い雑誌となっていったのだそうです。
 
 そのため『オリーブ』を語ることは、それぞれの10代の時の自分について語ることなのだと山崎さんは言います。

「あの頃の『オリーブ』はね、と同世代の誰かが言う時は、十代の時の自分について語っているのだ。『オリーブ』は個人の少女期と親密に結びついている」(本書より)

 そして年月が過ぎ、こうした自身のティーン時代のバイブルであった『オリーブ』にて、2001年8月号から2002年12月号までコラムを受け持つことになった山崎さんは、連載が決まった時のことを振り返り、次のように述べます。

「私はもう大人になっていて、何かを夢見ることや、その実現を願うことなんて、すっかり忘れていた。『何かに憧れて、夢をふくらませるってこと、おしゃれを考える時には、とても大切なことだと思いませんか?』13歳の時、初めて読んだ『オリーブ』に書いてあった文章を思い出した。『オリーブ』を読んで胸をときめかしたのはずいぶん昔のことだけど、背伸びしたり、ぺちゃんこになったり、そこから立ち直ったりしながらゆっくり階段を上って、ようやく憧れに指の先がかかったような気がした」(本書より)

 本書では、この2年弱にわたって連載された「東京プリンセス」を収録すると同時に、山崎さん自身の『オリーブ』にまつわる、『オリーブ』と共に過ごした10代の頃の物語が綴られています。

 また『オリーブ』は、今年の6月号『GINZA』にて好評を博した復活企画に引き続き、9月にはオリーブプロジェクトも発足され、今後その動きにも注目が集まっています。