メガマソ・涼平

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今年の12月で結成から8周年を迎えるメガマソ。11月5日にはニューシングル『St.Lily』が発売され、全国ツアーも控えています。リーダー、コンポーザーである涼平さんは、かねてから独創的な発想で注目を集めています。ファッションや舞台など音楽以外の様々な分野でも活躍している氏の真意とは…?

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――突然ですけど、涼平さんにとって「ヴィジュアル系」とは何ですか?

涼平:僕これ…あんまり考えたことがないんですよね。僕はコピーバンドをした時期を除くとオリジナル音楽でバンドを始めた時点でもう「ヴィジュアル系」だったので、そこに対しては意外と深い意味はないというか、「やった結果がヴィジュアル系」だったみたいなところは若干ありますね。

――涼平さんの世代くらいから「ネオヴィジュアル系」という言葉が出てきて。

涼平:言われましたね。

――「ネオヴィジュアル系」と「ヴィジュアル系」の違いをって意識したことありますか?

涼平:それもないですね。僕はヴィジュアル系を勉強したのが非常に遅くてですね。普通は僕らの世代は小学校中学校くらいでLUNA SEAやGLAYといったヴィジュアル系ブームを通ってきて、バンドを始めてると思うんですが、僕の場合は中学校の時にテレビでSHAZNAを見たのがきっかけなんですけど、その時は僕自分がバンドやるとは一切思ってなくて。IZAMさんのこともアイドルのような存在として認識していたというか。

――当時のSHAZNAやIZAMさんはCMなどにも出ていて、タレント的な側面も大きかったですしね。

涼平:その後全然高校に入ってから、僕は元々オルタナが好きで当時はヴィジュアル系じゃないコピーバンドやってました。その流れで大学に入った時に、極端なこと言うと大学の友達と「記念にちょっとヴィジュアル系やろうよ」という話になって、僕も「昔SHAZNA好きだったし」みたいな。それで始めたバンドが思ったよりも人気が出たことから今に至る部分はあります。そういう感覚の人は結構ネオの人に多いかもしれないですね。

――当時涼平さんが最初にヴィジュアル系シーンに出てきた時に、私はすごく「新しい」と感じたんですね。雰囲気が文科系というか。あんまりこれまでのヴィジュアル系が纏っていた「ヤンキー的」というか「気合」の香りがしなかったんですね(笑)。大学のサークルから始まったというお話はすごく納得がいきました。

涼平:確かに(笑)。それは本当にその通りで、僕ら世代からすごい増えたのが、いわゆるヲタクからヴィジュアル系になった人。今はむしろヤンキーから上がる人が3割くらいじゃないですか?

――3割くらい…(笑)。それは実感ですか?

涼平:実感ですね。僕らのローディーの子とか見ててそう感じます。元々ヴィジュアル系というジャンル自体、オタクの人が入り込みやすいというか、お化粧してちょっと二次元的になる部分があるというか。僕も元々アニメやゲームがすごく好きなのでそこにハマりやすかったっていうのは絶対あると思います。

――涼平さん自身がバンドをやっている上で影響を受けたヴィジュアル系ミュージシャンもはいらっしゃいますか?

涼平:自分が実際にバンド始めてから影響受けたヴィジュアル系バンドっていうのは別にありまして。
DAS:VASSERってバンドなんですけれども。僕、ちゃんとヴィジュアル系を学び始めた時に最初に買ったCDがDAS:VASSERのCDなんです。

――それはすごい意外な気がします。

涼平:そうですね、僕その後にいろんなバンドを聴いたんです。だけど、ファーストインパクトはDAS:VASSERなんです全部。

――なぜDAS:VASSERだったんですか?

涼平:元々ホラー映画が好きなんですよ。それでたまたまCD屋さんで見かけたDAS:VASSERのCDジャケットがホラーみたいで。「すごいインパクトあるな」と思って手にとったのがきっかけです。聴いてみたら曲がすごい良いなと。未だに僕の中でああいう曲を書けるようになりたいと思っています。

ただ悲しいのはバンドマンの子と楽屋とかで話してる時に僕だけズレちゃってるんです、こういう話は盛り上がれないんです(苦笑)。例えば「LUNA SEAのあのアルバムのさ、あそこのギターカッコ良くね?」みたいな話をされても、それはその子達にとっては「中学校の時に聴いた」的なファーストインパクトじゃないですか。

僕の場合は高校から大学に入る直前くらいに聴いたDAS:VASSERがファーストインパクトになっちゃってるんで、でもDAS:VASSERの話をできる人が周りにはあまりいないので、バンドマンとルーツの話とか全く盛り上がれないんですよね(笑)。

――そういうところも含めて涼平さんのことを「変わってるな」と思った理由かもしれないですね。

涼平:かもしれないですね。生まれ方に関しては多分特殊性があるのでその時点で場合によってはアドバンテージだし、場合によってはデメリットもあると思うんですけど。

――出自は特殊だったとはいえもうキャリアも。

涼平:そうですね。バンドを始めてから十年以上経過してますしね。

―そうなると始めた頃のヴィジュアルシーンと今って結構…一括りにネオヴィジュアル系って言われてますけどもう02〜04年頃のネオヴィジュアル系とこの2014年のネオヴィジュアル系って全く違うものじゃないですか。

涼平:違いますね、はい。

――「これ変わったな」ということはありますか?

涼平:もちろん周りは変わってはいるんですけど、逆に意外と自分が変われてないというか変わってなくて。元々周りに合わせるのが苦手というか、「これが流行ってるからこうしよう」というのが出来ないタイプだったので、「変わってくなぁ」って傍目に見ながらも「でも僕に出来るのはコレだしなぁ」みたいなところはずっとありましたね。

ただ逆に言うとこの10年「ネオヴィジュアル」と言われる前の時代から比べると、いい意味で再生産というかそこまで変わってないのでは。例えば「○○っぽい」と言われるバンドが定期的に出てきて人気が出てきたりというところも含めて…、別に僕はそれが悪いとは全然思ってなくて、ただもう一度ヴィジュアル系が世間一般に大きく認知される時代っていうところとはまた違うのかなと思ってます。

世間一般的にも趣味も多様化してますし、「昨日のMステ観た?」みたいなことをしなくても、LINEやTwitterで同じ趣味の人がつながればいいので、大ヒットは生まれにくくなってますよね。逆に考えるとミリオンセラーが続出していた時代が恵まれすぎていて、今の方が選択肢が増えた分、普通というか健全と考えたほうがいいと僕は思います。

――変わることができないとはおっしゃいますが、最近だと舞台出演など他ジャンルとのコラボは積極的に行っている印象があります。

涼平:そうですね、僕も去年舞台(本格朗読劇『極上文學 Kの昇天〜或はKの溺死〜』)に出ましたし、先日はボーカルのインザーギ君も舞台(『CLUB SLAZY』)に出たんですけど、共演して仲良くなった子にMVに出てもらったりというコラボレーションはありますね。

――舞台に出演してみてバンドとの違いを感じることはありましたか?

涼平:全然違いましたね(笑)。舞台の会場キャパも500キャパくらいで、自分が普段ライブで500人のお客さんの前に立つよりも30倍くらい緊張しましたし…。でも達成感もありました。やっぱり何年経っても新しいことにチャレンジしていった方が、新しいアイディアにもつながるので。舞台に出ることによって自分たちのライブの演出もちょっと変わることもありましたし。

――では逆にバンドと似ているところってありますか?

涼平:んー…感覚的にはなかったですね。もっと客観的に見てお客さんの層とかは似ている部分は多少感じましたが。それと同時に近いけど相容れることもないのではと思いました。

――近くて遠い、みたいな。

涼平:ですね。

――以前はバラエティ番組やギャル雑誌にも出てましたよね。先日はロリータ・ファッションの動画にも出演されていたのを拝見して、すごい積極的に出て行く人だなと思って。

涼平:面白そうな話があればヴィジュアル系の外のお仕事でも引き受けますね。
自分たちの音楽がちゃんとしてれば後はどうでもいいかな…って言ったら失礼ですけど(笑)、どう見られてもいいかと思っちゃうんですよね。
そこが最終的にちゃんとしてれば、聴いてくれる人は聴いてくれるだろうみたいな、甘いかもしれないですけど。

――そんな風にずっと独自のところにいらっしゃるのがおもしろいなと。今後も特に「こうなりたい」みたいなものはないですか。

涼平:そうですね。どっちかって言うと自分たちのバンドのポジションっていうより音楽をもっと届けられる場所が欲しいなと思ってまして、今色々なアプローチをしてますね。
僕は実はあんまりこだわりなかったりするんですけどね、こだわりないのがこだわりかもしれないですね(笑)。僕は音楽作ってそれ発表できればそれが最高なので。

――もう他の活動は全部そのためだっていう。

涼平:そうですね、極端なこと言うと50、60になっても音楽の仕事やりたいんですけどヴィジュアル系というか見た目も込みで売り出すのはその頃には難しいと思うので、その時でも自分の好きな音楽で関わってたいなと考えていて。稼げる稼げないではなく関わってはいたい。一般的に言う定年くらいまでは音楽に関わりたいなと、60とか65とかまでは(笑)。

――あと30年くらいですかね。

涼平:そうです、はい。

――いけそうな気がしますね!

涼平:あははは(笑)。まぁ、またその時はどういうやり方でやっているかは分からないですけど。

――そして、11月5日にリリースされるシングル『St.Lily』について伺いたいんですけど、 ABC盤とありますが、【タイプA「ひかりがほしい」盤】【タイプB「とりこむかいぶつ」盤】【タイプC「まきもどすきせつ」盤】とおもしろいですね。

涼平:そうなんです、僕ひらがながすごい好きで。そこに深い意味はないというか自分の歌詞の世界とかに近いものを表現しているというか。

――歌詞の世界も独特ですよね。

涼平:ありがとうございます。僕個人の趣味としては歌詞書くよりも曲を作る方が好きというか、歌詞は元々本を読むのが好きなので、ほとんどが本で得た知識なんかを再構成してるだけなんですけど、歌詞のほうがおもしろいと言われることは多いですね。

――好きな作家はいらっしゃいますか。

涼平:筒井康隆や安部公房が好きなんです。15歳くらいまでに読んだ本の情報が自分の中では全てなのかなと思ってまして。もちろん今でも趣味として本は読むんですけども、やっぱり中3くらいまでに感じちゃったことが全てというか。

だから僕、歌詞や曲も15歳くらいから書き溜めているものをとっていて、まだ発表していないものもいくつかあって。たとえばメガマソの「涙猫」という曲も15歳の時に書いた曲なんです。そういう初期衝動はすごい大事だなって思うんです。それは別に15の時だけじゃなくて18歳の時とか23の時とか全てがその時にしか書けない曲があるので、昔のものはノートで手書きですけど、バンド始めたばかりの頃、10代のときに使ってたパソコンのデータも全部とってありますね。

――すごいですね。

涼平:昔はお金もないからフリーのシーケンスソフトとか使ってたんですけど、そのソフトしか読み出せないデータとかもあるんですよ(笑)。

――他には、例えば海外展開も考えてらっしゃるんですか。

涼平:それもそんなに強くはないんですよね。もちろん海外のイベントにも呼んでもらったら行きたいと思います。ただ何よりは結局音楽に戻っちゃうんで、音楽を聴いてもらえたらまずはそれが一番かなって。生のライブはもっとカッコいいんで余裕があったら海外もライブで回りたいですけど。

――音楽を届けたいと。

涼平:届けたいですね。

――なるほど、そしてシングルリリースとほぼ同時に「'SALVATION' #2〜空虚の百合が咲く怪物〜」も始まりますね。

涼平:はい。11/4から全国ツアーが始まりまして、1/31に新宿ReNYでツアーファイナルがあります。新宿ReNYは、最近できたばかりの会場らしくて。僕ら最近のライブではほとんどVJを入れてるんですけど、電光掲示板も使えるらしくて面白い演出をしたいなと。

――今回は何か考えてることはありますか?

涼平:そうですね、この『St.Lily』は「ゆりのさくまち」というところで起きてる出来事を曲として並べているんですけども、それぞれの曲が繋がるのがライブに来てもらえば分かるんですよ。それに合わせて演出やセットリストも考えています。

――それはツアーに来たらわかると。

涼平:そうです、多分ツアーファイナルの前でも他の箇所に来てもらえればある程度想像はつくんじゃないかなと思うんですけども。

――メガマソのライブは様々な趣向を凝らしているとのことで、前回のツアーもストーリー仕立てだったりしたそうですね。

涼平:そうですね。たとえば物販で光る指輪の赤と青を売って当日その場で売れた個数というか赤と青がどんだけ光ってるかでストーリーが分岐したりはしましたね。

――それは面白いですね。

涼平:(売れた個数で分岐することは)お客さんには内緒にしてたんですけど、ただ赤と青に分岐するっていうことだけは伝えておいて、多分お客さんも途中で薄々分かったみたいでもうどうしても赤にしたかったのか、独りで赤10個くらい付けてくれてる人とかいましたけど(笑)。
常にそういう面白い試みはしていきたいなと思っています。

別に何かそれがバンドの爆発的な起爆剤になるとは思ってないんですがただこういう世界観は僕がやりたいことだし、みんなにも知って欲しいことなのでやり続けるのはバンドとしては大事かなって。

――そういうところが好きっていう人は絶対いますよね。メガマソはずっと独立してる感じがあります。

涼平:そうですね。そろそろフォロワーっぽいバンド出てきたりしませんかね(笑)。

――メガマソっぽいバンドというのも中々難しいのでは(笑)。

涼平:そうですね、立ち位置が特殊なんでもうそこは良くも悪くも割り切ってやれてるし気楽にやれるのは逆にいいですね。

――ずっと独特のところにいてほしいと思います。

涼平:頑張ります(笑)。

■メガマソ ライブスケジュール

8周年記念ワンマンライブ「St.MEGAMASSO'S Day(セイントメガマソズデイ)」
12月16日高田馬場エリア

[MEGAMASSO TOUR'SALVATION' #2〜空虚の百合が咲く怪物〜]
11月4日名古屋ell size.
11月5日岡山IMAGE
11月7日福岡DRUM SON
11月8日Ash大阪
11月29日札幌コロニー

TOUR FINAL
[MEGAMASSO TOUR 'SALVATION' TOURFINAL〜空虚の百合が咲く怪物、生誕〜]
1月31日新宿ReNY

■メガマソ CD情報

ジャンル:ROCK
タイトル:St.Lily (読み方はセイントリリィです。)

・タイプA「ひかりがほしい」盤 \1800
/CD
1.St.Lily
2.St.Void
3.ゆりのさくまち(ちかすぎてよくわからない)
/DVD
1.St.Lilyミュージックビデオ
2.特典映像

・タイプB「とりこむかいぶつ」盤 \1500
/CD
1.St.Lily
2.St.Void
3.MONSt.ER

・タイプC「まきもどすきせつ」盤 \1500
/CD
1.St.Lily
2.St.Void
3.RED St.EM