開始秒読み?上海A株の海外解放
 外国人投資家に上海A株投資を解禁する香港-上海相互接続が、まもなく開始される見込みだ。海外の投資家は香港の証券取引所を通じて上海A株市場に上場する266銘柄に投資できるようになる。経済成長が減速してきているとはいえ、他の先進国に比べればまだまだ伸びしろがあるといわれている中国。A株市場の開放は日本人を含む外国人投資家にとって貴重な機会になるはずだ。

 相互接続では、海外投資家は香港取引所経由で上海A株を、中国本土の投資家は上海取引所経由で香港株を買うことが出来るようになる。中国株は上海、深センの本土市場と、香港市場に分かれており、時価総額ベースの規模が最も大きいのは上海A株だ。だがこれまでは、一部の機関投資家を除いて外国人投資家は香港市場と銘柄数の少ない本土B株にしか投資できなかった。

 とはいえ日本人にはなじみのない上海A株の銘柄。狙いどころの銘柄はどこか。在香港の証券会社アナリストは「A株だけに上場しているエネルギー関連や酒類がおすすめ」と話す。高級酒、白酒(蒸留酒)の貴州茅台や、国営の石炭生産大手、中国神華能源などの有名企業は注目が集まりやすいそうだ。

 ただ、日本人にとって上海A株はかなりハードルが高い。まず、企業情報の開示は基本的に中国語で行われている。日本の証券会社の多くも、上海A株の個別銘柄に関する情報はあまり持っていないのが実情のようだ。上海A株は個人株主が市場の多数を占めるため、値動きの激しい市場と言われている。情報量で劣る日本人にとっては難易度が高そうだ。

 上海A株の株価は割高だとの指摘もある。上海A株の銘柄は今年4月に相互接続の開始が発表されて以降、値上がりを続けている。上海総合指数は4月初旬よりも15%近く上昇した。このため、相互接続が始まってから当面の間は「上海経由で香港株を買う中国本土投資家の流れに乗っかる方が得策」との声もある。中国の通信最大手チャイナ・モバイル、IT大手のテンセントなど、中国人におなじみの大企業ながら香港でしか上場していない銘柄を中国本土の投資家が買うことが予想されるという。

 中国株への投資機会が広がる香港-上海相互接続だが、実はまだ開始時期が決まっていない。本来は10月下旬に始まる予定だったが、接続開始が延期になったままだ。上海A株を買うには相互接続に参加する証券会社に口座を開く必要があるが、証券会社側も積極的な告知を見合わせている。相互接続構想は2007年にもいったん浮上したものの、立ち消えになった経緯がある。今回はすでにシステムテストも終えており、取引所の準備は進んでいるといわれている。あとは中国当局の出方次第だ。 <取材・文/HBO取材班>