動き出した米巨匠監督の遺作、製作に15年費やすも他界で未完のまま29年。

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名作「市民ケーン」などで知られるオーソン・ウェルズ監督の生涯最後の作品が、遂に来年公開になるかもしれない。

気難しい映画監督がハリウッド主流派の規制の体制と戦い続けるストーリーを描いた「ジ・アザー・サイド・オブ・ザ・ウィンド」は、ウェルズ監督が1985年に他界するまで15年間かけて製作されていたが、映画の管理権を所有する権利所有者たちと折り合いがつかず、現在まで完成することはなかった。

しかしこのたび、ロイヤル・ロード・エンターテインメント社が権利獲得に成功し、ウェルズ監督の生誕100周年となる来年5月6日に同作を公開できるよう編集作業を行っていくと宣言。同作のラインプロデューサーであるフランク・マーシャルは次のようにコメントしている。

「私たちはこれから編集室を立ち上げて、ピーター・ボグダノヴィッチと共に構成していく予定です」
「オーソン・ウェルズ氏からの指示書も持っています。まだ編集が完了していないシーンもあり、音楽を加える必要がある場面もあります。その辺りを編集する予定です。良いことは、今日の技術があればそれほど長く時間がかからないことですね」

ロイヤル・ロード社は、映画の管理権を所有するウェルズ監督の唯一の相続人である娘のベアトリス・ウェルズ、監督の長年の映画製作パートナー、オヤ・コダール、製作会社ラストロフォールを説得するのに5年もの月日をかけたそうだ。

ウェルズ監督によって編集済みの45分の映像を持っているというオヤは、今がこの映画を完成させる最適な時期だと感じたという。

「私は契約書にサインをする予定です。監督の生誕100年となる記念の年ですし、みなさんの中にもそういった動きがあります。スクリーンでこの映画を遂に観られた時こそ、この映画が完成したと言えるのです」

一方でベアトリスは「最適な人たち」がビジョンを持って自分を説得しに来てくれたとニューヨーク・タイムズ紙に語っている。

「最適な人たちが私のもとへやってきてくれました。他の人たちを交えず直接私に話しに来てくれたんです」
「今までこの映画はフランスの法律下で管理されていました。幸運なことに、私はそれを今まで守ることができたのです」
「私たちは笑いやジョークなんかを交えながら話をしました。とても和やかに心が通じ合ったんです。彼らの芸術に対する愛が私に伝わってきました」