年金を70歳から受け取ることにして 30〜50代の人も年額42%増を確保せよ!

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受け取る公的年金の年間の額は、払い込んだ年金の保険料によって決まるが、実はそれ以外にも受け取る年金額を大きく左右する要素がある。それが、何歳から年金を受け取るのかという点だ。今回は、60歳が目前の人から30代のサラリーマンまで、誰でもできる受け取る年金額を増やす秘密ワザを紹介しよう。

まずはねんきん定期便をチェックして
しっかりと年金を受け取ることが大事!

 裏ワザを紹介する前に、重要なのがもらえる年金をしっかりもらうこと。「消えた年金」が問題になったのは記憶に新しいが、田崎博さん(仮名)も被害者の1人。

 転職した際に「タサキ」が「タザキ」と登録され、転職後の納付記録は別人のものとなり、年金額が本来の額より50万円も少なくなっていた。いまだに未解明な年金記録も膨大にあるので他人ごとではない。

 手続きのし忘れも多い。例えば専業主婦で夫が脱サラや定年退職してサラリーマンではなくなったのに、国民年金加入の手続きをしていない人などだ。専業主婦が自動的に年金加入者となるのは夫がサラリーマンの場合だけなので、手続きを忘れると年金ゼロの可能性も。

 厚生年金受給者は高校生以下の子がいると年間約22万円、年金をまだもらっていない妻がいると年間約39万円も上乗せ支給される。家族が別居状態だと給付されないことがあるので、可能なら一緒に住み、もらえる年金を確実にもらおう。

 まずは誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を必ず確認しよう。

60歳を過ぎてからでも年金額を増やせる
受取開始を5年延ばして年間42%増に!

 建設の技術者で64歳の石崎隆行さん(仮名)は、東京五輪の特需のため70歳までの約束で定年延長することが決まった。石崎さんは70歳まで収入も確保できるので、年金の受給開始を本来の65歳ではなく70歳からに繰下げることにした。

 石崎さんが調べてみると年金は1年受給を遅らせるごとに8.4%ずつ年間の受給額が増える。最長のケースでは70歳から、つまり5年間の繰下げが可能なのだ。

 石崎さんの場合は最高のケースである5年間の繰下げなので42%も年間に受け取る年金額が増えることになる。石崎さんは65歳からの支給だと月額23万円だったのだが、それが70歳からに変更したことで32万6000円となった。しかも、増えた年金額は毎年毎年、一生継続する。

 ただし、本来もらうべき5年分を放棄するので、生涯で受け取る年金額の損得勘定は必要だ。一般的に繰下げ受給にする年齢に11年を足した年齢が損益分岐点と言われている。70歳へ繰下げをした場合、81歳以上まで生きればトクになる。

 石崎さんは「65歳の男性の平均余命は84歳だから、2分の1以上の確率でトクする」と計算。70歳までの収入は確保したし、健康に自信もあるので繰下げ受給を決意した。

 このように年金の繰下げ受給は、もっともシンプルな年金増額法。しかも、60歳を過ぎてからでも年金額を増やすことができる万人向けのワザだ。

 もちろんこのワザは、30〜40代のサラリーマンでも使える。年金の受給開始を繰り下げた分の期間の生活費を想定して、それを乗り切れるような貯蓄を今から始めておけばいい。そして、70歳からは増額された年金を受け取って余生を過ごす…。こうしたちょっとした年金の仕組みをうまく利用して、支払った保険料の効率アップを図りたいところだ。

 なお、年金の受給開始は前倒しにすることも可能。もちろん、この場合は年間に受け取る年金額は減ってしまうが、背に腹は変えられない状況になった時には、こうした手もあることを覚えておいて損はない(今発売中のダイヤモンド・ザイ12月号には、年金額を増やせるワザが満載)。

 このような受け取る年金を増やすワザはまだまだたくさんあるので、ぜひチェックしてみてほしい。