中国メディアの人民日報は10月28日、世界保健機関(WHO)による2014年度の都市別屋外大気汚染データの内容について伝えた。(写真は人民日報の10月28日付報道の画面キャプチャ)

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 世界保健機関(WHO)による2014年度の都市別屋外大気汚染データにおいて、インドの首都ニューデリーのPM2.5の年間平均値が1立方メートル当たり153マイクログラムで世界最悪になったことについて、中国メディアの人民日報は10月28日、「『汚染ランキング』で中国からは1都市も“上位”の20都市に選ばれなかった」と伝えた。

 記事は、都市別屋外大気汚染データに基づいた汚染ランキングで、上位20都市のうち13都市がインドから選出されたことを伝え、特にワースト1位から4位まですべてインドの都市だったと指摘。さらに、中国からは1都市も“上位”の20都市に選ばれなかったと伝えた。

 さらに米CNNの報道を引用し、「中国では多くの都市が灰色のスモッグに覆われており、多くの市民らはマスクをして外出しているものの、汚染ランキングには中国の都市は見当たらなかった」と伝えた。

 続けて、汚染ランキングでもっとも上位に挙げられた中国の都市は36位の蘭州市で、PM2.5の年間平均値は1立方メートル当たり71マイクログラムだったと紹介。さらに北京市は56マイクログラムで76位だったと伝えた。

 記事は、中国で大気汚染が深刻化する理由の1つとして野焼きを挙げる一方、ニューデリーでは祭日の花火が理由の1つだと指摘。ニューデリーでは祭日を迎えるとPM2.5の数値が1立方メートル当たり250マイクログラム以上に跳ね上がると紹介した。(編集担当:村山健二)(写真は人民日報の28日付報道の画面キャプチャ)

 ※「WHOが発表した」とされていた大気汚染の「都市別ランキング」について、10月30日付の南方都市報は、「WHOが都市別の大気汚染データを発表しているのは事実だが、“ランキング”は都市別のデータに基づいて中国の報道機関が作成したもの」と報じた。さらに南方都市報は、WHOの広報担当者の話として「WHOとして大気汚染の都市別ランキングを発表したことはない」と伝えた。(2014年11月1日:サーチナ編集部)