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第27回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが31日、東京・六本木のTOHO シネマズ 六本木ヒルズで行われ、『紙の月』で主演を務めた女優の宮沢りえが、最優秀女優賞に輝いた。

最優秀女優賞の発表は、審査委員のイ・ジェナ氏が担当。「満場一致で決まった」と明かしたイ・ジェナ氏は、「奥深い演技、卓越した精神、繊細でもろさを表す心の表情。目ですべてを語り尽くし、真の自由を求め、本当の意味で、彼女には芸術貢献に感謝します」と称賛の言葉を述べ、さらに「言葉に表せないほどの美しい方です」と加えてから、「宮沢りえ」と発表した。

『紙の月』は、平凡な主婦が起こした巨額横領事件を描いた映画で、7年ぶりに映画主演を果たした宮沢が、主人公の主婦・梅澤梨花を演じている。ステージに上がった宮沢は「いやぁちょっと震えています」と驚きと感激の表情。「おみくじで大吉をひいた時に『ヤッター!』と思う気持ちの中に、自分を引き締めなければという気持ちが湧くのと似ています」と心境を表現した。

続けて、「7年ぶりということで不安や緊張があったんですが、吉田大八監督の粘り強い、厳しい、でも愛がたくさんこもった演出によって、梅澤梨花という手ごわい役を乗り越えられたと思います」と語り、「半分にできるなら、半分は吉田監督に最優秀演出賞として、私からあげたい気分です」と監督に感謝。そして、ステージを降りて席に戻り、監督と抱き合って喜びを分かち合った。

『紙の月』は観客賞も受賞。セレモニーでは、最優秀女優賞の発表の前に、観客賞の表彰が行われた。トロフィーを受け取った吉田監督は「『紙の月』を好きだとおっしゃってくださった方が一番多いという重みを感じます。これからの自分の励みにしていきたい」と喜びを語り、宮沢りえも「サンキューベリーマッチ! 公開に向けて緊張していますが、これを誇りとして、すてきな公開日になることを祈ってます」とあいさつした。