隔週連載《中山秀征の語り合いたい人》。今回は、舞台で経験を積み重ね、映画やドラマで活躍し始めた個性派実力俳優・ムロツヨシ(38)。中山も「気になっていた」というネクストブレーク俳優がじっくりと語る。

中山「ムロさんは若手の俳優仲間が多く、人脈が広いと聞きましたが……」

ムロ「27歳のとき、僕が最初に出演した本広(克行)監督の映画の主演だった瑛太(31)と仲良くなって、いろんな人たちを紹介してもらい、交友関係が広がりました。その流れで小泉孝太郎(36)とも仲よくなりました。俳優仲間の中では、彼がいちばん会う頻度が高いかな」

中山「ムロさんの作る“ムロ鍋”がおいしいという話を聞いたのですが、俳優仲間たちにも振る舞ったりするんですか?」

ムロ「ムロ鍋は、白味噌バターちゃんこなんですけど、瑛太が僕の誕生会を開いてくれたときに、『ムロさん、鍋作ってください』とリクエストがありまして。ゲストがいっぱい来ている中、主役の僕がなぜか鍋を作りました。あとから来た松田龍平(31)が『え、今日って何の会なの?』と言うから、『俺の誕生日会だよっ!!』と、僕が鍋を作りながら言うっていう(笑)。みんなおいしいって言ってくれるんですけど、山田孝之(31)だけが『みんなが持ち上げすぎるけど、普通だな』というシビアな評価でした(笑)」

中山「これだけ同世代のスター俳優たちが集まるということがあるんですね」

ムロ「ありがたいですよね。小栗旬(31)も知り合ったのは彼が’05年、『花より男子』(TBS系)に出演する前。僕がお金もなかった時代に飲んだりしていました。小栗も7歳年下なんですが、気持ちの上では同期みたいな感覚です。綾野剛(32)は小栗が監督した作品で知り合っていますね。彼らは僕を“オジサン”ってよく言いますけど(笑)」

中山「オジサン(笑)。世代の差を感じます?」

ムロ「若くして看板を背負って、お金を稼いで生活できている人を尊敬しているんです。僕はまだ結果を出していないけど、彼らは舞台で芝居している僕を一応先輩として見てくれる。会話するうちにどんどん同世代みたいな接し方になっていったんですよね。いい意味で年上だったし、同世代にできない仕事の話もできたんでしょうね」

中山「ムロさんには親しみやすさがありますもんね。仲良くなれるコツはあります?」

ムロ「僕は悪い意味でもいい意味でも、八方美人。友達は1人でも多いほうがいいと思っています。初対面のときに壁を作られる方もいますけど、なんとかその壁の抜け道を探すか、その壁をたたいてみるか、どうにかしてコミュニケーションを取ろうとします」