エボラ出血熱で死亡したリベリア人男性、トーマス・エリック・ダンカン氏の治療中にエボラ出血熱に感染、その後回復した看護士のアンバー・ビンソン氏 Photo:AP/AFLO

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西アフリカ・ギニアの保健省は3月、原因不明の病気で病院に搬送された36人の患者のうち、その半数の23人が死亡したと発表。患者の多くが下痢や発熱、嘔吐を繰り返し、その症状はラッサ熱やエボラ熱のものと酷似していた。その後すぐに、ギニア、リベリア、シエラレオネの3ヵ国は共同でエボラ対策計画を作成。周辺国のマリやナイジェリアでもエボラウイルスに感染した患者の存在が確認され、それぞれで死者も出た。現地でエボラ患者の治療に携わった医療関係者がそれぞれの国に帰国した夏頃から、空路で欧米諸国に戻ってきた医師らがエボラウイルスに感染していることが判明。病院関係者がエボラ熱を発症したダラスやニューヨークでは、市民の間にも少なからぬパニックが広がった。すでにエボラ熱の死者が5000人に到達する勢いの現在、日本はエボラを対岸の火事として見ているだけでいいのだろうか? 

患者数は8ヵ国1万3000人超
陸空路での感染拡大は不可避

 まず、現在エボラ出血熱の患者数がどのくらいなのかを確認しておこう。

 スイスのジュネーブを拠点とする世界保健機関(WHO)は29日、エボラ出血熱の患者数に関する最新の統計を発表した。今月27日までに確認された患者数は8ヵ国で1万3703名。このうち4920人が既に死亡している。

 また西アフリカ諸国においてエボラ出血熱で死亡したとカウントされていた患者が、実際には別の原因で亡くなっていた例も存在したことを認め、リベリアにおけるエボラ熱の死者数を約300人減らして発表している。

 すでに8ヵ国に広がりを見せているエボラ出血熱。各国ではエボラウイルス感染者をどのようにして発見・隔離すべきか、という議論が続いており、これまで多くの移民や難民を受け入れてきたオーストラリアでは27日、モリソン移民大臣がエボラ出血熱の流行が続く西アフリカ諸国からの入国を厳しく制限し、ビザ申請の受け付けを停止したと発表した。この決定にはオーストラリア政界の野党だけではなく、西アフリカ諸国の政治指導者やガーナ出身のアナン前国連事務総長らからも批判が噴出している。

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