第30味

中国

上海&香港株式市場の

「相互乗り入れ」が前進中!

着実に進む規制緩和。
中国当局の積極姿勢を
株価も歓迎して、好調!

中国株市場が復調の動きを見せています。8月にかけての上海総合指数は昨年末以来の2200ポイント台を回復したほか、香港ハンセン指数も7月に年初来高値を更新し、8月上値を追って高値を更新しています。

これは、いわゆる「プチ経済政策」が功を奏したためとも考えられますが、経済政策による景気の下支えはこれまでにも継続的に行なわれてきました。ここに来ての株式市場の復活は、別のところに要因がありそうです。

その最有力候補といえそうなのが、「上海市場と香港市場の株式取引の相互乗り入れが10月にも始まるのでは?」という観測です。

ご存じの通り、海外の投資家が中国本土の株式市場(上海と深セン)への取引に参加するのは、香港株市場とは違って自由ではありません。

機関投資家であれば、QFII(適格海外機関投資家)などの資格を得ることで参加は可能ですが、海外の個人投資家には門戸が開かれていません(B株は除く)。

逆に、中国の個人投資家は中国本土市場の取引はできても、香港など海外の株式市場へのアクセスが認められていません。

こうした不便な状況に対する不満と改革を求める声は以前からありました。しかし、これまであまり進展はなく、同じ企業でありながら、香港と上海の両市場に上場している銘柄の株価が大きく異なるなど、規制による株価のゆがみも生じていました。それが、ようやく今年の4月になって、李克強首相がこの両市場の「株式取引の相互乗り入れ」について発言し、重い腰を上げたのです。

発言の直後は市場でも話題になりましたが、当時は相場のテーマとしてあまり持続しませんでした。

ところが、「半年間の準備期間を経て実施する」という当初の計画通りに事が進んでいるらしいことが明らかになったため、相場の買い材料として再び盛り上がり始めたというわけです。

これまでに判明している内容について、左の図にまとめました。要はお互いの取引所を経由する格好で、それぞれの市場に上場する株式を売買できるようになります。

もっとも、市場の取引ルールの違いや税金の問題、緩和といっても投資額に制限が設けられているなど、まだまだ問題は残っています。しかし、改革を着実に進めようとする中国当局の姿勢を示すことができたといえそうです。

楽天証券経済研究所

シニアマーケットアナリスト

土信田雅之

新光証券などを経て、2011年10 月より現職。ネット証券随一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。

この記事は「ネットマネー2014年11月号」に掲載されたものです。