須澤通雅氏
カリスマトレーダーのように取引をしてくれる優秀な自動売買があれば……そんな投資家の願いを現実にするかもしれないFXがついに日本に初上陸した。ズボラ投資家には大注目の「完コピFX」は儲かるのか? 詳細をリポートする。

◆自動売買の最終兵器が日本上陸!

 世界中で50万人を超える投資家に利用され、7000億ドルを超える資金が売買される海外で大人気のFX取引システム「ズールトレード」が、’14年9月に日本でのサービスを開始した。提供会社であるアリーナFXの須澤通雅社長は、その特徴についてこう解説する。

「自分の口座で、優秀なシグナルプロバイダー(SP)のコピー取引が自動でできるFXシステムです」

 自動的に取引してくれるシステムといえば、メタトレーダーのEA(Expert Advisor)やミラートレーダーといった自動売買がすでにある。これらのシステムとズールトレードの最大の違いは、世界中の自動売買システムの中から厳選された、運用成績の良い自動売買を簡単に始められる点だ。

◆シグナルプロバイダーの取引を完全コピーするFX

 シグナルプロバイダー(SP)と呼ばれる自動売買システムの中から好みのSPをフォロー(選択)すると、そのSPが売買するたびにシグナルが配信され、投資家の口座で同じ取引が実行される。

 SPの累積利益や勝率、最大ドローダウン(過去最大の下落幅)などの成績は、ランキング形式で公開されている。ちなみに、取材時にランキング1位だったSPの勝率は83%、累積の利益は4105pipsに達していた。1万米ドル/円で取引している場合なら、5万円以下の元手で41万円の利益をはじき出している計算だ(レバレッジ倍程度の場合)。

 こうしたランキング上位の「カリスマトレーダー」をフォローすれば、一攫千金を狙えるのだろうか。須澤社長は、日本版独自の機能についてこう説明する。

「SPは世界で10万件も登録されているため、その質には相当なばらつきがあります。日本版ズールトレードでは、選択できるSPを一定の基準で100〜200件程度まで絞り込んでいます」

 成績の悪いSPや大きなリスクを取って一攫千金を狙うタイプのSPは排除され、安定した成績を上げる比較的手堅いSPが厳選されているという。

 ちなみにSPは、フォローされる取引が多いほど、投資家がスプレッド(買値と売値の価格差)として支払うコストの一部を報酬として得られるしくみだ。ただし、どれだけ多くのフォロワーがいても、最終的な損益がマイナスになった月には1円も支払われない。収益を積み重ねてフォローを集めるだけでなく、継続して損失を出さないことも求められるシビアな世界で戦っているのだ。

◆成績の良いロジックが絞り込まれた安心感

 相当おいしい話にも思えるズールトレードだが、百戦錬磨のトレーダーはどう評価しているのだろうか。「取引手法マニア」を自称するFX投資家で、人気FXブロガーのかずえモン氏は、こう話す。

「自動売買はシステム選びが命運を分けるので、成績の良いSPが絞り込まれているのは安心感がある。管理画面や操作もわかりやすく、初心者にも使いやすい印象」

 かずえモン氏によると、自動売買の取引で最も怖いのは災害や政情不安などによる突発的な相場の変動だ。自動売買の場合は条件がそろってしまうと売買を始めてしまい、不測の事態に対応できない心配が残るため、大きな事件が起きれば取引を中断して様子を見るといった的確な判断も必要だという。

 肝心のSP選びでは、短期的に成績の良すぎるSPよりも、上下を繰り返しながらゆるやかな右肩上がりの成績を描くSPのほうが信頼できると分析する。

「長期的に勝っているSPの中から、あえて負けているタイミングにあるSPを選ぶ戦略もアリかも。成績の安定したSPが負けているなら、そろそろ勝ちに転じると考えるわけです」

 ただし、どんなにパフォーマンスの良いSPでも、相場環境によって得手不得手があるため過信は禁物だという。

「既存の自動売買でも、あらゆる相場で勝ち続けられるシステムはありません。SPも同じで、強いトレンドがある相場が得意なSPがいれば、レンジ(方向感が定まらない相場)が得意なSPもいる。ほったらかしではなくこまめに成績をチェックし、市場環境が変わればSPの入れ替えを検討すべきですね」

⇒【後編】に続く http://hbol.jp/10909

【須澤通雅氏】
アリーナFX代表。’14年に社長就任。プログラマーであり自身でロジックの開発も行う。ズールトレード本社CEOと出会いサービス開始

【かずえモン氏】
投資歴5年のFXトレーダー。自らの手法を公開する「FXで1万円を1億に かずえモンのFXブログ」が人気 http://fxdeman1oku.blog53.fc2.com/