Q:夏は元気一杯で活発に活動しましたが、秋になったら心がふさぎ、やる気が出なくなりました。眠くないのに生あくびが何度も出ます。去年もこんな感じになったと思います。何か具体的に原因があるでしょうか。対策法と併せて教えてください。(28歳・広告代理店勤務)

 A:ご質問の方は夏は元気一杯だったことから、夏に活発に活動し、はしゃぎ過ぎた反動が秋になって出て、軽いうつ状態になって現れたものと思われます。
 とはいえ、過度に心配するには及びません。本当のうつ病ではなく、はしゃぎ過ぎて疲れた心を回復させようとするための反応なのです。
 眠くないのに生あくびが起こるそうですが、これは心が疲れていることを表す典型的な反応です。心が疲れて潤いを欲しがっているのです。今年は秋の訪れが急だったこともあり、その分なおさら心の疲れが表れやすかったと思われます。
 秋という季節の特徴は二つあります。一つは前半は暑く後半は寒くなること。もう一つは、前半は湿度が高く後半は空気が乾燥することです。
 秋は稲の収穫時期であり、昔から、収穫を祝う秋祭りが行われます。そして、革命の季節です。つまり、体に変化が生まれるし、変化させないといけない時期なのです。この後は冬がやって来ますが、五行論では、冬は新しく生まれる季節です。

●休養し、心を休ませよう
 ですから、来年(春)に備えるのは、冬ではなく前年の秋からなのです。具体的には、秋は十分に休養をとることが求められるし、そうすることが重要なのです。
 ご質問の方の場合、このような秋の季節の入り口で心の不調を来したわけですから、このあと、養生に努めるようにしたいものです。
 ただし、養生といっても特別なことをしなければならないわけではありません。秋は行楽のシーズンでもあります。適度に遊ぶことはよいですが、活動し過ぎないようにしたいもの。自然の緑に接することは心を休められるので、オススメです。
 漢方薬では、「抑肝散」または「抑肝散加陳皮半夏」が適しています。どちらも、緊張を取り、興奮を抑える作用があります。うつ気分が取れることによって、やる気も湧いてくるはずです。ご質問の方も、この二つの漢方薬のどちらかを服用してみるとよいでしょう。

三浦於菟氏(吉祥寺東方医院院長)
東邦大学医学部卒。国立東静病院内科勤務を経て、中国・南京中医学院、台湾・中国医薬学院に留学。東邦大学医学部東洋医学科教授を経て、同大学客員教授。著書『東洋医学を知っていますか』など多数。