霧と滝のスクリーンAquaFall Display。飛び出るアヒル、画面かき分け物体を登場させる仕掛けも

写真拡大

10月26日まで開催していたDIGITAL CONTENT EXPO 2014 より。東京工業大学小池研究室は、霧を封じ込めた滝の表面に映像を写すAquaFall Displayを展示していました。展示では飛び出すアヒルがかわいいミニゲームでスクリーンをアピール。実際にゲームをしている様子は動画をご覧ください。



滝のように流れ落ちる水の表面をスクリーンにしたディスプレイ。作者は東京工業大学小池研究室特別研究学生の的場やすし氏。

四方を水流で囲い、内側に霧を閉じ込めることで透明度を落とし、投影した映像を鮮明に映す工夫を施しています。いわゆるフォグスクリーンや噴水の水滴を利用したスクリーンとの主な違いは、四隅を滝で囲い内部を霧で満たすことで表面を不透明にしているという点です。また表面が平滑で比較的精細な表示が可能で、明るい場所でも使用できます。

四隅を滝で囲い、内部を霧で満たすことで表面を不透明にしています

水でスクリーンを構成するメリットは、スクリーンそのものをコンテンツを演出するためのギミックとして利用できる点です。例えばデジタルサイネージで利用した場合は、広告の表面をかき分けて現物が出てくるといった見せ方が可能になります。また、演劇の舞台で用いた場合は、一瞬前まで背景だった場所から突然登場人物が飛び出してくるなどの演出が考えられます。

説明員によれば、ディスプレイとしての性能を追求するならば白く染色した水を用いた方が効果が高いそうですが、透明ではないので使用時に周囲が汚れるというデメリットがあったため、今回は見送ったということです。また、製品化することを考えた時、色付きの水をあらかじめ用意しなければならないことは、運用面でハードルになりうるとの見解も示していました。

スクリーン自体の構成要素は水と霧のみ

なお大量の水が落下する際に起こる騒音については、落下地点にスポンジなどの素材を採用するなどの対策によって、ある程度抑制できるとしています。

展示では、ウィルスからアヒルを守る内容のミニゲームを遊べるようになっており、ゲームの開始と終了のタイミングで、ディスプレイの中心からアヒルのフィギュアが顔を出す演出が仕込まれていました。ウィルスを撃退する手段は空気を撃ち出す空気砲で、空気がディスプレイに当たると水面が弾けてウイルスが消滅するという趣向を採用しており"ただの水"がディスプレイとして機能していることを強調する内容となっています。

表示性能の向上に関しては、ノズルを改良することで滝表面の平滑性を高め、より綺麗に映せるようにする余地があります。また、目的に応じて水以外の液体を利用できるようにすることや、滝の内部に霧と共に可燃性の気体を閉じ込める、リアルに爆発するディスプレイも実現可能とのことです。

2014年10月29日訂正:冒頭のAquaFall Displayの概要紹介部分で、フォグスクリーンや噴水の水滴を利用したスクリーンとの主な違いに関して、これらのスクリーンが透明であるのに対し、AquaFall Displayが不透明である旨と、作者名を追記しました。

また、記事の文末にAquaFall Displayが実現可能なアイディアとして、霧の代わりに可燃性の気体で満たすことで「リアルで爆発するディスプレイ」を追記しました。